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革の艶と強度を引き上げる一手間。Munekawaのブッテーロに加えるオリジナル加工の話

革の艶と強度を引き上げる一手間。Munekawaのブッテーロに加えるオリジナル加工の話

Munekawaで定番として使っている、イタリア産の革ブッテーロ。 自然由来の薬剤と昔ながらの技法で作られ、丈夫さと美しい発色、そして豊かなエイジング(経年変化)を楽しめる革です。 これまでのブログでも、何度かご紹介してきましたが、Munekawaで使用しているブッテーロには、オリジナル加工として高温・高圧プレスをかけています。 ただ、それがどんな加工で、革にどんな変化をもたらしているのか。詳しくお伝えできていなかったかもしれません。 今回は、Munekawaが使用しているブッテーロに、どんな加工をしているのかをご紹介したいと思います。 Munekawaの革について詳しくはこちら ブッテーロとはどんな革か ブッテーロは、イタリアで作られる牛革です。 栗やミモザなどの天然素材から抽出したタンニンを使ってなめす「植物タンニンなめし」の革で、日本では「ヌメ革」と呼ばれる種類に属します。 時間をかけてなめすことで繊維が縮み、密度が高くなります。これによって、長く使ってもコシを失いにくい丈夫さが生まれます。毎日使う財布や革小物の素材として、とても大切な性質といえるでしょう。 色付けには、表面を塗りつぶす顔料ではなく、革に染み込ませる染料を使っています。そのため、革本来の表情が残る、透明感のある仕上がりになるのが特徴です。 関連記事 "革"を知る - なめし・表情・つくりから学ぶ、 レザーの基本 日本に届いてから加える、もう一手間 革づくりでは、なめしや染色を終えたあとに、表面の質感を整える「仕上げ」の工程があります。どんな仕上げをするかによって、同じ革でも手触りや見た目の印象は変わってきます。 Munekawaでは、イタリアから日本に届いた時点のブッテーロに、さらに独自の加工を施しています。それが、革の繊維に高温・高圧でプレスをかける加工です。 もともと密度の高いブッテーロの繊維を、高温と高圧でさらに引き締めることで、より強度の高い革になります。 イタリアで仕上がった革に、日本でもう一手間加えてこそ、ようやく製品づくりに使う革が完成します。 加工前と加工後で革はどう変わるのか 写真は、同じグリーンのブッテーロを、加工前(左)と加工後(右)で並べたものです。 一目見てわかる通り、加工前と加工後では表面の艶が明らかに違いますね。 ブッテーロは本来マットな質感の革ですが、熱を加えることで、吟面(革の表側の面)に自然な光沢が表れます。写真でも、左の革が光をやわらかく受け止めているのに対し、右の革は光を映すように反射しているのがわかります。 この艶が、製品になったときの上品な高級感につながっています。 加工すると革の色は変わる? 加工前と加工後の革で、色に違いがあるのがわかりますが、これは加工によって色が変化したわけではありません。 天然の革は、一枚ごとに色の入り方に濃淡のブレがあります。この差は革の個体差によるものです。プレス加工によって、色が大きく変わることはありません。 また、加工後でも艶が控えめに仕上がる革もあります。艶の出方も、革一枚一枚の個性によって変わってきます。...

分けて持つと、もっと身軽になる。人気財布「Cram」とカードケース「Tuck」の2個持ちのすすめ

分けて持つと、もっと身軽になる。人気財布「Cram」とカードケース「Tuck」の2個持ちのすすめ

Munekawaでいちばん多く選ばれている財布、L字ファスナー財布 Cram(クラム)。手のひらに収まる大きさのミニ財布ながら、お札も小銭もカードもまとめて持てるのが人気の理由のひとつです。 しかし、毎日の暮らしの中で会員証やポイントカードなどのカード類は少しずつ増えてしまうもの。気がつくと財布が窮屈になっていた、ということもあるかもしれません。 そんなときにおすすめしたいのが、CramとICカードケース Tuck(タック)の2個持ちです。 Tuckは、コンパクトな佇まいながら3つのポケットを備えた頼れるカードケース。カードを使う頻度に合わせてこの2つに分けてあげるだけで、日々の支払いや身の回りの所作がすっきりと身軽になります。 今回は、実際にCramとTuckを組み合わせて愛用している製作スタッフに、具体的なカードの仕分け方や、日々感じているリアルなメリットを聞いてみました。 L字ファスナー財布「Cram」の商品ページはこちら ICカードケース「Tuck」の商品ページはこちら CramとTuck、それぞれの役割 まずはそれぞれがどんな製品なのか簡単にご紹介しておきましょう。 L字ファスナー財布 Cram Cramは、L字ファスナーを開けるだけで、お札・小銭・カードのすべてがひと目で見渡せるミニ財布です。 支払いに必要なものが手のひらサイズにすっきりと収まり、厚みは約1.7cm。 カードは右側の2段ホルダーと左側のスリーブに分けて収納でき、あわせて5〜7枚ほどが入ります。 関連記事 L字ファスナー財布は使いにくい?Munekawaの「Cram」が使いやすい理由 ICカードケース Tuck 一方のTuckは、横幅9.7cm、厚さわずか約6mmのカードケース。重さも約22gと非常に軽く、シャツの胸ポケットやパンツのポケットにもすっと収まるスリムさが特徴です。 薄型でありながらポケットは3つあり、それぞれ使い分けられる構造になっています。 正面のポケットはカードがすっぽり隠れる深さがあり、ICカードを入れたままタッチできます。背面のポケットはカードの頭が約1.5cmのぞく作りで、指をかけてスムーズに抜き出せます。 そしてホック付きのフタがあるメインポケットには、カードや名刺をまとめて収納可能です。全体での収納目安はカード5〜7枚ほどです。 関連記事 使いやすさのための、細部への工夫。カードケース「Tuck」の底の角をカットする理由 スタッフの組み合わせ方|Cramに8枚、Tuckに4枚 実際に2個持ちをしている製作スタッフは、Cramに8枚、Tuckに4枚のカードを入れています。 Tuckに入れているのは、定期券やメインのクレジットカード、IDなどです。普段よく使うカードはある程度決まっているので、その一軍の数枚だけをTuckに移して、残りはすべてCramに入れておく、というシンプルな分け方をしています。(スタッフ談) Tuckの中は、たとえば以下のように使い分けると日々の動作がとてもスムーズになります。...

完成まであと少し。新作フラグメントケースの製作の様子と工房の風景をご紹介

完成まであと少し。新作フラグメントケースの製作の様子と工房の風景をご紹介

8月のブログでご紹介した、新作のフラグメントケース。 さらに試作を重ね、最終的な形が決まりました。今、大阪・大国町の工房では、いよいよ販売開始に向けての製作が進んでいます。 まだ完成には至っていませんが、今回は製作風景の写真とともに、現在の様子をお届けします。 フラグメントケースとは? フラグメントケースは、必要最低限のカードや小銭、紙幣をコンパクトに収納できるアイテムです。 Munekawaで製作しているフラグメントケースはスマホと同じくらいのサイズ感。キャッシュレスがメインで、少しの現金とカードを数枚持ち歩きたいという方におすすめです。 関連記事 新作のフラグメントケースを製作中 | 大阪・大国町Munekawa工房の制作風景 試作を重ねて、仕様が決まりました 8月の時点で6つ目のサンプルを作っていたフラグメントケース。その後も、作っては使い、気になるところを直すという繰り返しを続けてきました。 細かな部分の調整を重ね、ようやく納得できる形が決まりました。 形が決まったら、次はパーツを切り出すための抜き型を用意します。抜き型とは、革をパーツの形に切り抜くための金属の型のこと。製品の形に合わせて用意し、裁断に使います。 4色の革から、パーツを切り出す フラグメントケースも、イタリア産のブッテーロを使用し、カラーはブラック、ブルー、キャメル、グリーンの4色で製作しています。 天然の革は、1枚ごとに表情が少しずつ異なります。そのため裁断の前には、革の上に抜き型を並べ、どこからどのパーツを取るかを確かめていきます。 位置が決まったら、裁断機で抜き型を押し込み、パーツを切り抜きます。 重なる部分を、薄く整える 切り出したパーツは、次に「漉き」の工程へ進みます。漉きとは、専用の機械で革の裏側を削り、厚みを調整する作業のことです。 革のパーツとパーツが重なる箇所は、厚みが出やすくなります。重なる部分や端をあらかじめ薄くしておくことで、手に持ったときやポケットに入れたときの、すっきりとした形につながります。 特にフラグメントケースのような小さなアイテムは、革の厚みの微妙な差が、最終的な仕上がりや手に持った時の印象に大きく左右します。 この部分も何度も試作を重ね、しっかり強度を持ちながら、厚ぼったくならない形を突き詰めました。 ロゴの位置も決まりました サンプルから変わった点のひとつが、ロゴの位置です。最終的に、サンプルよりも少し下の位置に入れることになりました。 小さなアイテムだからこそ、ロゴの位置ひとつで全体の印象が変わります。何度も見比べながら決めた位置です。 カードポケットを組み立て、縫い合わせる カードポケットは、何枚ものパーツを重ねてつくられています。位置をそろえてパーツを貼り合わせ、ミシンで縫い合わせていきます。 わずかなズレも仕上がりや使い心地に影響します。一枚ずつ、丁寧に進めていきます。 完成まで、あと少し...

Munekawaの「予約注文」と「再入荷通知」注文方法、納期・お届けの流れご案内ガイド

Munekawaの「予約注文」と「再入荷通知」注文方法、納期・お届けの流れご案内ガイド

大阪・大国町の工房で、企画からデザイン、製作まで全てを行っているMunekawaの革製品。少人数のスタッフが一つずつ手作業で製作しているため、ご希望の製品、ご希望のカラーのご用意が無い場合もあります。 お待たせしてしまう場面もありますが、それでも購入したいと思ってくださった方にお届けできるよう、「予約注文」と「再入荷通知」という仕組みをご用意しています。 この記事では、すぐにお届けできない製品のご注文について、商品ページの表示の見方やお届けまでの流れをまとめました。安心してお買い物を楽しんでいただくためのガイドとして、ぜひお役立てください。 商品一覧はこちら 商品ページの表示の見方 Munekawaの商品ページでは、お好みのカラーを選択すると、色名の横や購入ボタンの表示が切り替わります。同じ商品でもカラーごとに納期が異なる場合がありますので、ご希望のカラーを選んだうえで表示をご確認ください。表示のパターンは大きく分けて以下の3つです。 ① 色名のみが表示されている(通常購入) 色名の横に何も記載がなく、「カートに追加」ボタンが表示されている場合は、工房に完成品の在庫がある状態です。ご注文後、通常どおり数日中に工房から発送いたします。 ② 色名の横に「予約」とある(予約注文) 「カートに追加」ボタンがあり、色名の横に納期が表示されている場合は、完成品の在庫がない状態です。この場合は「予約注文」としてご注文いただけます。ご注文をいただいてから製作を進め、完成次第のお届けとなります。 納期の表示は、製作スケジュールに応じて次のように変わります。 予約・約2ヶ月:完成までに約2ヶ月お時間をいただきます 予約・⚪︎月中旬頃完成予定:完成時期が決まっている場合の表示です 予約・確認後、納期案内:ご注文後に製作スケジュールを確認し、納期をご案内いたします ③ 色見本に斜線が入り、「再入荷通知」とある(現在は注文不可) 色見本に斜線が入り、「再入荷通知を受け取る」ボタンになっている場合は、現在在庫がなく、製作の受付を一時停止している状態です。こちらはページ後半の「再入荷通知について」をご確認ください。 画面の表示 状態 今注文できるか お届けの目安 ① 色名のみ 通常購入(在庫あり) ◎ すぐ注文できる 数日中に通常発送(※年末年始など長期休業期間を除く) ②...

引き算の美学。無駄を削ぎ落とした二つ折り財布”Reduce”

引き算の美学。無駄を削ぎ落とした二つ折り財布”Reduce”

ミニマル二つ折り財布「Reduce(リデュース)」。 一見するとシンプルな二つ折り財布ですが、手に取ると一般的な財布との違いがはっきりと分かります。 最大の特徴は、薄さを追求し、必要な機能以外を削ぎ落とした設計にあります。 二つ折り財布にありがちな「中身を入れるとかさばる」という課題に向き合い、構造から見直して仕立てました。 Munekawaでは長く作り続けている定番の型ですが、キャッシュレス決済の普及にともない、「持ち物を最小限にまとめたい」という方から改めて選ばれる機会が増えています。 今回のブログでは、Reduceがどのような財布なのか、その構造や選ばれている理由を詳しくご紹介します。 ミニマル二つ折り財布「Reduce」の商品ページはこちら ミニマル二つ折り財布「Reduce」とは Reduceは、その名のとおり「減らすこと」から形を考えた二つ折り財布です。 サイズは縦8.5cm×横10cm。紙幣がスムーズに出し入れできる寸法を追求し、最小限の大きさに収めました。 収納は札入れが一つと、左右3段ずつのカードポケット。紙幣は約10枚、カードは6枚が目安です。 厚みは約1.5cm、重さは約46g。本革仕立てでありながら、手にして驚くほど身軽です。 店頭でReduceを手に取った方の多くが、この薄さと軽さ、そして無駄を省いた佇まいに関心を持ってくださいます。 実際にご愛用いただいているお客様からも、「ここまで引き算の美学を追求している財布は珍しい」「必要十分な使い心地が気に入っている」といった声をいただいています。 小さくても扱いやすい、独自の設計 Reduceを開くと、札入れの中央部分が大きくくり抜かれているのが分かります。 これは、紙幣を取り出す手と反対側の親指を添え、お札をスムーズに送り出せるようにした形状です。財布を開いて親指を添えるだけで、お札が手前にすっと押し出されます。 さらに、中央の革を省いたことで、財布を折りたたんだ際の革の重なりが減り、全体の厚みを抑えることにも直結しています。使いやすさのための工夫が、そのまま薄さへと結びついている設計です。 使うほど薄くなる、エイジングも楽しみな革財布 Reduceをご愛用いただいている方からよくいただくのが、「エイジング(経年変化)が楽しみ」というお声です。 装飾や金具を持たないプレーンな構造だからこそ、革本来の質感や表情の変化をダイレクトに感じていただけます。日々手に触れることで自然な艶が増し、持ち主の使い方に合わせた深みのある表情へと育っていきます。 新品のReduceは、革特有のハリによりわずかな開きがあります。Munekawaがメインで使用しているイタリア産レザー「ブッテーロ」は、使い始めこそしっかりとしたハリがありますが、開閉を繰り返すうちに繊維がほぐれ、柔らかく馴染んでいきます。 そうして革が落ち着くと、約8mmほどまで薄くなります。経年変化というと色や艶の深まりを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、Reduceは、「薄さ」もまた使っていく中で育つ要素のひとつといえるでしょう。 関連記事 シンプル&ミニマムを追求したMunekawaの革財布、DivdeとReduceの魅力 Reduceはどんな人におすすめか Reduceをお選びいただくお客様には、いくつかの共通点があります。 支払いはキャッシュレスが中心だが、紙幣とカードは持っておきたい方 スーツやジャケットの内ポケットに財布を入れる機会が多い方 手ぶらや小さなバッグで身軽に出かけたい方...

所作を整える、小さな配慮。封筒型長財布「Encase」の細部に込めた、使いやすさへの工夫

所作を整える、小さな配慮。封筒型長財布「Encase」の細部に込めた、使いやすさへの工夫

封筒型長財布「Encase(エンケース)」は、その名の通り、封筒のような形が印象的な長財布です。 一見すると、一枚の革を折りたたんだだけのような、とてもシンプルな佇まい。 しかし、その細部には「日々の暮らしの中で使いやすくなるように」「使う時の所作が美しくなるように」という想いとアイディアを込めています。 目新しい機能を足すのではなく、形そのものを整えることで、閉じる・しまう・取り出すという一連の動作を自然でスムーズなものにしたい。そんな思いが、この財布の根底にはあります。 今回は、Munekawaのロングセラー、封筒型長財布Encaseの、革財布としての合理性と細部に込めた工夫の数々を、作り手の視点からご紹介します。 封筒型長財布「Encase」の商品ページはこちら シンプルな佇まいの理由「金具を使わない」 Encaseは「薄く、軽く持てる」ことに重きを置いて製作しています。厚みは約2cm、重さはわずか87gほどです。 前後に3か所ずつのカード段、マチ付きの札入れ、1か所のマルチポケットと、シンプルな構成ながら、カードは6枚、紙幣は25枚〜30枚ほど収納可能。 薄く持ち歩けることを優先して、小銭入れはあえて設けていません。 Encaseの薄さと軽さの理由のひとつが「金具を使っていない」ということ。 ファスナーやホックボタンなどを使用するとどうしてもその分厚みが出たり、重くなってしまいます。 また、金具を一切使わないということは、「壊れる可能性のある部品が減る」ということでもあります。 金具は革と違い、どうしても経年によって摩耗してしまうもの。実際にMunekawaに寄せられる修理のご相談も、多くが金具部分の不具合によるものです。 その点、Encaseは金具を使っていないので、ホックやファスナー由来の故障が起こらず安心して長く使っていただきやすい製品といえます。 関連記事 コンパクトに持てる長財布”Cram Long” Munekawaの長財布3種サイズ比較 留め具を持たずに、自然と閉じる理由 Encaseのフタは、袱紗(ふくさ)のように三角形のフタの先端を差し込んで閉じる形です。ボタンも留め具も使わず、先端を差し込むだけで留めています。 中には「それでちゃんと閉まるの?」と不安に思われる方もいらっしゃいます。こうした疑問を持たれるのも自然なことだと思います。 金具を使わない差し込み式のフタは、少しでも寸法が甘いと、革自体の張りに負けてふわりと浮き上がってしまいます。 かといって無理に深く差し込もうとすれば、日々の開閉が窮屈になってしまいます。 その点を解決するために、Encaseはフタの三角形の斜辺に「ごくわずかな内向きのカーブ」を付けています。 ほんの少し角度をつけることで先端がわずかに鋭角になり、奥までスッと差し込みやすくなります。 見た目には目立たない、些細な工夫ですが、何度もパーツの形を変え試作を繰り返すなかで導き出した、Encaseの使い心地の根幹に関わる重要な工夫といえるでしょう。 プライバシーに配慮した、わずかな工夫 カードポケットは前後に3か所ずつ、計6枚が収まる設計です。 ここにも、小さな工夫を凝らしています。前段と後段のカードの高さを揃えることで、奥に入れたカードが、手前のカードの影に自然と隠れるようにしました。...

失敗しないための基本。レザーケア用のオイル・クリーム・ワックスの違いと使い分け

失敗しないための基本。レザーケア用のオイル・クリーム・ワックスの違いと使い分け

革のお手入れに興味がある方も多いですが、いざ始めてみようと思った時に最初に悩むのが「ケア用品の種類の多さ」です。 市販されているケア用品を探してみると、オイル、クリーム、ワックスなど、たくさんの種類が並んでいて、「どれがどう違うの?」「自分の財布にはどれが合う?」と迷ってしまう、というお悩みはMunekawaでも多く伺います。 レザーケア用品を選ぶ際は「いまの革の状態」と「どう仕上げたいか(目的)」に合わせることがひとつの基準になります。 しっかり乾燥して油分が抜けているのか、それとも日頃のうるおいを保ちたいのか、あるいは少し水や汚れに強くしたいのかによって、必要なケア用品も変わります。 この記事では、本革の革製品のケア用品を選ぶ際に参考にしたい、レザーオイルやクリームの違いと使い分けのポイントについてご紹介します。 ※ 今回ご紹介する内容は、革の状態やイメージする仕上がりを基準にしたケア用品の選び方の目安をご紹介するものです。実際は、革の種類や仕上げによって適したケアは異なりますので、ケア用品のご使用前には、必ずお手持ちのケア用品の対象素材をご確認ください。 状態と目的で選ぶ3つの目安 ケア用品の種類が多くて決められないときは、まず革の状態と目的に合わせて次の3つのタイプから考えてみましょう。 革の状態・目的 ケア用品の種類 特徴 カサつきや硬さがあり、しっかり乾燥している オイル系 革の奥まで油分をしっかり補給できます。色が濃くなったり革が柔らかくなりやすいため、ごく少量ずつ様子を見ながら使います。 日頃の手入れで、風合いを保ちながら保湿したい デリケートクリーム 水分が多く伸びが良いのが特徴。革の色や質感を大きく変えにくいため、定期的な保湿や普段のお手入れに最適です。 保湿しながら、ツヤや軽い水弾きも持たせたい ワックス配合クリーム 表面に薄い保護膜を作り、上品な光沢と撥水性をプラスできます。塗りすぎると曇りやベタつきの原因になるため、薄く伸ばして乾拭きで仕上げます。 ※ 上記は一般的な牛革(植物タンニンなめし)を想定した目安です。コードバンやブライドルレザー、起毛革(スエードなど)、エナメル革などは専用のケア用品が必要となります。不明な場合は、無理に使わず購入店にご相談ください。 1. 乾燥している革には、油分を補う「オイル系」 久しぶりに引き出しから取り出した革小物や、雨に濡れて乾いたあとの革は、表面がカサついている、以前より硬く感じる、曲げたときの細かなシワが戻りにくいなどの状態になっていることがあります。これは、革の内部の油分が抜けて不足しているサインです。こうした場合には「オイル系」のケア用品が適しています。 ミンクオイルやニートフットオイル(牛脚油)といった動物性油分を中心としたオイルは、浸透力が高く、失われた油分をしっかり奥まで届けてくれます。まさに「栄養補給」をして革のしなやかさを取り戻したいときに頼りになるアイテムです。 ただし、油分が多いぶん、革の色が濃くなったり、繊維がほぐれて柔らかくなりすぎたりすることもあります。また、塗りすぎると表面に残ってベタつきやホコリ吸着の原因にもなるので、注意しましょう。 いきなり広い面に塗るのではなく、まずは底面やポケットの内側など目立たないところで試すのがおすすめです。「少し足りないかな?」と思うくらいの量を布に取り、薄く薄く伸ばして革の様子を見てあげてください。 2....

使いやすさのための、細部への工夫。カードケース「Tuck」の底の角をカットする理由

使いやすさのための、細部への工夫。カードケース「Tuck」の底の角をカットする理由

Munekawaのアイテムのなかでも、一二を争う人気を誇るICカードケース「Tuck(タック)」。 ポケットやバッグの中でも邪魔にならないスリムな佇まいでありながら、3つの独立したポケットを持つ、Munekawaでも一二を争う人気アイテムです。 すでにご愛用いただいている方も多いTuckですが、その細部に目を向けると、少し不思議な特徴があります。 底の縫い目が端まで届かずに手前で止まり、角が斜めにカットされているのです。 「端まできっちり縫い合わせたほうが丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。けれど、ここにあえて縫製を入れないことこそが、Tuckの心地よい使い心地を生み出す大きなポイントなのです。 なぜ端まで縫わないのか。なぜ角を落としているのか。 今回は、Tuckの細部に込めたものづくりの工夫をご紹介します。 ICカードケース「Tuck」の商品ページはこちら カードケース「Tuck」とは? まずは、Tuckがどんなカードケースなのかを簡単にご紹介しておきましょう。 サイズは縦6.7cm×横9.7cm、厚さはわずか約6mm。手のひらにすっぽり収まるコンパクトなサイズ感ですが、最大の特徴は「3つの独立したポケット」を使い分けられる点にあります。 メインポケット(ホック付き)カードをまとめて5枚ほど、名刺なら10枚程度収納可能。小銭や三つ折りの紙幣を入れて、キャッシュレス時代のコンパクト財布としても活躍します。 正面ポケットカードがすっぽり隠れる深さ。交通系ICカードを入れておけば、パスケースとして改札もスムーズにタッチできます。 背面ポケットカードの頭が少し覗く浅めのポケット。指をかけてワンアクションで取り出せるので、毎日使うメインカードにおすすめです。 薄いのに、きちんと入って取り出しやすい。 この両立を支えているのが、Tuckならではの「底の構造」です。 詳しい使い方は動画でもご紹介しています。 底のステッチを、途中で止めている理由 Tuckの底を見ると、中央を通る縫い目が端の手前で止まり、両端の角が斜めに小さくカットされているのが分かります。 革製品を作るうえでは、強度を高めるために端から端まできっちり縫い合わせるのが一般的です。 ですが、このTuckにおいては、あえて最後まで縫い切らない設計を選びました。 もし底を端までぴったり縫い合わせてしまうと、2枚の革が強く密着します。 そうすると、厚みのあるプラスチックカードを入れたときに革全体が突っ張ってしまい、カードの角が内側に引っかかって、スムーズに出し入れすることが難しくなってしまいます。 そこでTuckでは、縫い目をあえて両端の手前で止め、さらに角を斜めにカットしています。 角を落としてなくすことで、縫われていない部分の革が突っ張らず、自然に外側へ逃げられるようになります。 縫われていない両端が生み出す「マチ」 底の両端をあえて縫い止めず、角を斜めにカットしておくことで、その部分の革は固定されずに自由に動ける状態になります。 Tuckの両端を指で軽く押し込んでみると、縫われていない底の角がふんわりと内側にたわみ、ふっくらとした立体的な空間が立ち上がります。 通常、カードケースに容量を持たせようとすると、側面に別の革パーツ(マチ)を縫い合わせるのが一般的です。しかし、パーツを増やすとその分だけ革の重なりや縫い目が増え、どうしても全体が厚くなってしまいます。 Tuckは、別パーツのマチを足すのではなく、「革本来のしなやかさ」を利用してマチの役割を持たせるという方法をとりました。...

ユーザーインタビュー|Munekawaのベル型キーケース「Bell S」を8年使用されている方にお話を伺いました。

ユーザーインタビュー|Munekawaのベル型キーケース「Bell S」を8年使用されている方にお話を伺いました。

革製品を選ぶとき、店頭に並ぶ製品を気に入っても「何年も使い込んだらどうなるんだろう」「使い心地はどうなんだろう」ということが気になる方も多いかと思います。 今回のブログでは、Munekawaのアイテムを実際にご使用いただいている方にお話を伺い、その感想をご紹介します。 お話を伺ったのは、兵庫県にお住まいのSさん。8年間にわたり、ベル型キーケース「Bell S」を使い続けてくださっている方です。 毎日どのように持ち歩き、どんなところに使いやすさを感じているのか。お手入れのリアルな頻度や、8年を経た革・金具の状態まで、日々の率直な使い心地を語っていただきました。 Bell Sの商品ページはこちら 収納している鍵の種類・本数 Bell Sは、一般的な鍵を3〜5本ほど収納できるコンパクトなキーケースです。内側にはキーリングと、ワンタッチで取り外せるキーフックが1つずつ付いています。 Sさんが現在Bell Sに入れているのは、自宅の鍵2本、実家の鍵1本、それに自転車の鍵2本。合計5本です。 Sさんの鍵の本数はBell Sの収納量にぴったりの本数ですね。 バッグを持っている日はバッグに入れることもありますが、パンツのポケットに入れていることのほうが多いです。小さいので、私の場合はポケットに入れてても気になることはほとんどありません。 関連記事 Munekawaの3つのキーケース、Bell M・Bell S・Pivotを徹底比較。それぞれの特徴と選び方 自転車の鍵は、取り外せるキーフックに 4本ある鍵のうち、自転車の鍵は取り外しができる「キーフック」に付けています。 自転車に乗るときだけ、キーフックからサッと外せるので自転車の鍵もまとめられるのがよいです。 ケースに付けたまま手元で回す「自宅や実家の鍵」は固定のキーリングへ。 乗る時だけ鍵穴に挿して使う「自転車の鍵」は着脱式のキーフックへ。 2種類の金具を用途に合わせて使い分けることで、乗るときも停めるときも無駄な動作が生まれません。8年間使い続けるなかで、この使い分けがごく自然な日常の習慣として定着していったそうです。 関連記事 一目惚れ必至!レザーキーケース「Bell」の 使い心地と機能性の魅力 革のお手入れの有無は? 革の定期的なお手入れについて尋ねると、「実は、ほとんどできていないんです」とSさん。...

冷蔵庫に、スチールデスクにピタッとくっつく。新作レザーマグネットコースターのご紹介

冷蔵庫に、スチールデスクにピタッとくっつく。新作レザーマグネットコースターのご紹介

新しい革小物「レザーマグネットコースター(2枚1セット)」の販売を開始します。 素材には水に強いクロムレザーを使用。また、内部に強力なネオジム磁石を入れているので、冷蔵庫やスチール製デスクの側面にぴたっと貼り付けておけます。 ブラックのレザーにゴールドの刻印がさりげなく映えるシンプルなデザイン。毎日触れるものだからこそ、扱いやすく、暮らしの空間にすっと溶け込む一品に仕上げました。 販売は2026年9月19日(土) 21時から。Munekawaオンラインショップ該当商品ページ内と、大阪・大国町のMunekawa直営店でご購入いただけます。 今回のブログでは、レザーマグネットコースターの特徴についてご紹介します。 商品ページはこちら レザーマグネットコースターの特徴 1. 磁石でくっつくから、収納場所に困らない レザーマグネットコースターの内側には「ネオジム磁石」を入れているので、冷蔵庫やスチールに貼り付けておくことができます。 普段、コースターを使用している方は、収納場所や定位置に困った経験はないでしょうか?卓上に出しておくわけにもいかず、かといってキッチンの引き出しに収納すると意外に場所を取ってしまうものですよね。 そんな「ちょっとした不便」を解消させるために強力な磁石を使用しています。冷蔵庫はもちろん、デスクの脚やスチールワゴンなどの側面にぴたっと貼り付けて保管できます。 スチールデスクにも張り付くので、グラスを持ち上げたときにコースターが張り付いて持ち上がったり、作業中に手が当たってズレたりすることもありません。 2. 水に強いクロムレザーと、縫い目のない構造 コースターは冷たいグラスの結露など、日常的に水滴と触れる機会が多いアイテムです。そこで今回の素材には、水濡れに強いクロムレザーを採用しています。 また、あえて縫製を入れない構造にすることで、針穴から水分が内部に入り込むのを防いでいます。湿気が中まで浸透しないため、革の反りやカビも発生しにくい仕様です。 内部には反りを防ぐ芯材を挟み込み、革の断面であるコバも顔料で丁寧に塗り重ねて防水性を高めました。 関連記事 クロムなめし革の特徴 - 植物タンニンなめしとどう違う?特徴やメリットを解説 製作までの経緯 きっかけは、製作スタッフの会議での何気ない一言でした。 「コースターは毎日使うけれど、置き場所に困るよね」 そこで「磁石を入れれば、冷蔵庫やスチール製のテーブルにも貼り付けられて便利ではないか」というアイデアが生まれ、早速サンプルを作ってみることに。 試作品を二週間ほど使ってみたところ、使い心地も申し分なく、何より「使いたい場所にぴたっと貼っておける便利さ」を実感でき、製品化につながったのでした。 何気ない会話から生まれた小さなアイディアを、すぐに実行に移し、自分たちの手で使い心地を確かめながら形にしていく。少人数で企画から製作・仕上げまでを手がけるMunekawaらしい経緯で生まれたレザーコースターです。 お手入れと、長く使うためのポイント...

9月16日販売開始。L字ファスナー財布Cram エプソンにブルーレギオンとブラックが数量限定で登場

9月16日販売開始。L字ファスナー財布Cram エプソンにブルーレギオンとブラックが数量限定で登場

L字ファスナー財布 Cram(クラム)に、フランス産の型押しレザー「エプソン」を使用した限定モデルが登場します。 今回ご用意したのは、新色の「ブルーレギオン」と、定番の「ブラック」の2色。 傷や水分に強く、手にした時の端正な美しさを長く保てるエプソン。手のひらに収まるコンパクトさと使い勝手を両立したCramの魅力はそのままに、日常からビジネスまで気持ちよく寄り添う革財布に仕上がりました。 2026年9月16日(火)より、各色10個の数量限定で販売を開始いたします。 商品ページはこちら 2色の選び方。ブルーレギオンとブラック 今回の限定Cramでは2つのカラーをセレクトしました。どちらも素材の持つ上品な表情と色合いの調和を楽しめる色合いです。 ブルーレギオン 新色「ブルーレギオン」は、鮮やかすぎず暗すぎない、少しくすみのある落ち着いたトーンのブルーです。ネイビーほど重くならず、派手さも抑えられているため、ビジネスの場で取り出しても自然に馴染む色合い。 ブラックやブラウンといった王道の革色をお持ちの方で、少し気分を変えた新しい一色を探している方にもおすすめのカラーです。 ブラック どんな装いやシーンにも自然に溶け込む王道の一色です。エプソンの均一なシボ(凹凸)が黒の引き締まった印象をより際立たせ、シンプルながら凛とした佇まいを感じさせます。 服装や鞄の色を選ばず、流行にも左右されないため、長く飽きずに愛用できる革財布をお求めの方にぴったりのカラーといえるでしょう。 内側に光るシルバーの箔押しロゴ Munekawaのロゴは、内側にシルバーの箔押しで刻印しています。 素押しの刻印と比べ、落ち着いた革色の上で小さく光るシルバーが、限定品らしい上品な華やかさを添えてくれます。 外側をシンプルに見せるためロゴは内側に配置しており、財布を開いたときにだけさりげなく目に入る控えめなデザインです。 先月登場したEncaseやPalmと同じカラー展開・箔押し仕様となっているため、シリーズで色を揃えてお持ちいただくのもおすすめです。 関連記事 新色ブルーレギオン登場。エプソンで作るEncase&Palm(ブルーレギオン・ブラック)を各色5セット限定で販売します 育てる革ではなく、保つ革。エプソンの特徴 エプソンは、1803年創業のフランスの老舗タンナー・ROUX(ルー)社が手がける型押しカーフレザー(仔牛革)です。表面に細かな型押し加工を施すことで繊維が引き締まり、傷や汚れ、水分に強く、型崩れもしにくい高い耐久性を備えています。 Munekawaで定番として使用しているブッテーロやブライドルレザーなどの植物タンニン鞣し革のは、使い込むほどに経年変化(エイジング)が魅力ですが、今回使用している「エプソン」は、経年変化が少ないクロムなめし製法で作られる革。手にした時の端正な美しさをできるだけ長く保ちたい方に適した素材です。 日常的な摩擦や爪による細かな傷が目立ちにくいため、それほど気を使わず気軽に楽しめるのがクロムレザーのメリットのひとつ。革を育てる時間とはまた違う、「いつ見ても変わらない端正さ」を日々の道具として楽しんでいただけます。 関連記事 クロムなめし革の特徴 - 植物タンニンなめしとどう違う?特徴やメリットを解説 使いやすさは、そのままに...

大好評企画再び。スエードレザートレープレゼントキャンペーンのお知らせ

大好評企画再び。スエードレザートレープレゼントキャンペーンのお知らせ

こちらのキャンペーンは終了致しました。 9月2日(水)から9月19日(土)朝9:59までの期間限定で、スエードレザートレーのプレゼントキャンペーンを開催します。 期間中に3つの条件を満たしていただいた方全員に、特製のスエードレザートレーを一つプレゼント。革製品の製作過程でどうしても出てしまう、革のハギレを活かして仕立てた限定アイテムです。 カラーはコーラルオレンジ、ネイビー、ダークブラウンの3色。お好きな色を一つお選びいただけます。 前回実施した際も大変ご好評いただいたキャンペーンです。 レザートレーは数に限りがありますので、ご興味のある方は、ぜひキャンペーンの詳細をチェックしてみてください! Munekawaオンラインストアはこちら キャンペーン概要 プレゼント製品 特製スエードレザートレー(お一人様1点) 期間 2026年9月2日(水)〜 9月19日(土)朝9:59まで 対象店舗 Munekawaオンラインストア・Munekawa直営店(大阪・大国町) カラー コーラルオレンジ、ネイビー、ダークブラウン(お好きな1色をお選びいただけます) プレゼントの条件 次の3つの条件をすべて満たした方が対象です。 期間中に税込4,950円以上のお買い上げ ご注文時、簡単なアンケートに回答 MunekawaのInstagramのフォロー、またはメルマガへの登録 ※アンケート方法について オンラインストアでご購入の際は、ご購入のお手続き時に、ショッピングカート内にアンケートをご用意していますのでご入力ください。   直営店でご購入の際は、お会計時にスタッフが口頭でお伺いします。 注意事項 カラーのご指定がない場合は、当店にて選定しお届けいたします。 レザートレーのプレゼントは、お一人様につき1点限りとなります。 送料・代引き手数料は、お買い上げ対象金額(税込4,950円以上)には含まれません。...

「何枚入るか」より「一枚の取り出しやすさ」で選ぶ。名刺入れの収納枚数と余白の話

「何枚入るか」より「一枚の取り出しやすさ」で選ぶ。名刺入れの収納枚数と余白の話

名刺入れを選ぶとき、多くの方がポイントにするのが「収納枚数」です。特に職業柄、名刺交換の機会が多い人であれば「名刺が何枚入るか」は名刺入れを選ぶうえで大事なポイントでしょう。 ですが、実際に毎日使っていくと気になり始めるのは、何枚入るかよりも一枚の名刺をすっとスムーズに取り出せるかどうかだったりします。 名刺交換は、相手の目の前で行う所作。ぎゅっと詰まった名刺入れから慌てて名刺を引き出そうとすると、取り出しに苦労して焦ってしまうこともあるかもしれません。 大阪・大国町にあるMunekawa直営店でも、名刺入れ選びのご相談を数多くいただいてきました。今回はその経験も踏まえて、名刺入れの収納枚数と「余白」の考え方をご紹介します。 スペックの数字だけでは分からない、快適に使うための目安として参考にしてみてください。 最大収納枚数と「快適に使える枚数」は同じではない 一般的に、名刺入れの基本情報として書かれている「名刺◯枚収納可能」という数字は、物理的に無理なく収まる枚数を示したものです。 しかし、必ずしもその枚数が名刺交換を快適にこなせる枚数と同じ、というわけではありません。 名刺を一枚ずつ取り出すには、名刺を指で取り出すためのすき間(余白)が必要です。ギリギリまで入れてしまうと、収まってはいるものの、指を差し込む余地がなくなってしまいます。 「余白」といっても、厳密な数値の基準があるわけではありません。名刺の束の上に指先が無理なくすっと入り、束を軽く押さえながら一枚をスライドさせられることです。この動きが引っかからずにできれば、余白は足りています。 使用する名刺入れや、使う人によってさまざまなため、一概にはいえませんが、目安としては最大収納枚数の7〜8割程度に収めておくと出し入れに余裕が生まれやすくなります。 例えば最大50枚収納できる名刺入れなら、普段入れておくのは30〜40枚程度に抑えるとよいでしょう。 名刺を詰め込みすぎると起こる、もうひとつのデメリット 本革の名刺入れの場合、「入るから」といって名刺を限界まで詰め込んだ状態が続くと、出し入れしづらくなるだけではなく、もうひとつの問題につながることがあります。 それが「革が伸びてしまう」ということです。 革は、しなやかで、使い方に合わせて馴染んでいく素材。中身を入れすぎて膨らんだ状態が長く続くと、革が伸びてゆるくなってしまったり、型崩れの原因になってしまったりすることがあります。 そして、一度伸びてしまった革はもう元の状態に戻ることはありません。 詰めすぎは、使い勝手や使う時の所作だけでなく、革そのものの寿命にも関わってくるものです。もちろん、名刺入れだけでなく、財布やコインケースなどにも同じことが言えます。 お気に入りの革製品を長く使うためにも「中身を限界まで入れない」ことを意識してみてください。 革が馴染む前と後で、収納感は変わる もうひとつ知っておきたいのが、同じ名刺入れでも「革の状態」によって収納のしやすさが変わるという点です。 新品の革はまだ張りがあり、ポケットの口も締まっています。そのため使い始めは、表記の枚数より窮屈に感じられることがあります。使い込むうちに革が手と中身に馴染み、口が柔らかく開くようになると、同じ枚数でも出し入れがぐっと軽くなります。 使い始めのうちは無理に枚数を入れず控えめにして、革が馴染んできたら少しずつ増やしていくと、革に無理な負荷がかかりにくく、綺麗に使えるのではないかと思います。 また、名刺入れの中には、収納量に応じて箱のように立体的に広がる「通しマチ」を採用したものもあります。枚数が少ないときはマチが折り畳まれて厚みが落ち着くため、革の馴染みと合わせて、日々の枚数の増減に寄り添ってくれる構造です。 収納枚数に波がある方は、こうしたマチの作りにも注目してみてください。 関連記事 革製品の「マチ」って何?Munekawaの製品に見るマチ設計と自分に合った革小物の選び方 名刺交換がしやすい形で選ぶ 名刺入れには「名刺の取り出しやすさ」「名刺交換のしやすさ」を考慮して作られている製品もあります。これから名刺入れを選ぶ方は、そうした設計に注目してみるのもおすすめです。 Munekawaの名刺入れ「Through」は、先ほどご紹介した通しマチを採用し、最大50枚をスムーズに出し入れできるよう設計した名刺入れです。...

気分と好みで選ぶ、ブライドルレザーとブッテーロ。あなたに合う革の見つけ方

気分と好みで選ぶ、ブライドルレザーとブッテーロ。あなたに合う革の見つけ方

「ブライドルレザーとブッテーロ、どちらが良い革ですか?」 お客様からよくこうした質問をいただきます。 Munekawaではブッテーロをレギュラーの革素材として使い、限定品をブライドルレザーで製作することが多いため「ブライドルレザーの方が高級で良い革」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。 ブライドルレザーとブッテーロは、どちらもMunekawaが長く使い続けてきた革です。結論から言うと、片方が高級でもう片方が劣るということはありません。それぞれに特徴のある、優れた革です。 「どちらが良い革か」と考えて選ぶと、いつまでも答えは出ません。「どちらが今の自分に合うか」。視点をそう切り替えると、選ぶことが迷いではなく、楽しみに変わります。 ブッテーロとブライドルレザーの特徴 ブッテーロ ブッテーロは、植物タンニンなめし製法で作る本革ならではの透明感のある発色と、オイルを含んだしっとりとした手触りが持ち味の革です。 経年変化(エイジング)の進みが早く、使い始めて間もない頃から、艶が増していく様子を実感できます。 本来はマットな質感のブッテーロですが、Munekawaで使用しているブッテーロはオリジナル加工として、高温・高圧でプレ スを加えています。こうすることで、繊維が密になり強度が上がるだけでなく、熱が加わることで表面に自然な光沢が感じられるようになります。 Munekawaでは長年使用してきているブッテーロですが、触れるたびに「良い革だな」と実感しています。質感、色合い、強度、エイジング、どれを取っても自信を持ってお届けできる革です。 特に「どの革を選べばよいかわからない」「初めて革製品を使う」という方には、ブッテーロをおすすめしています。 関連記事 革のエイジングはどう進む?使いはじめ〜1年以内のブッテーロの経年変化 ブライドルレザー ブライドルレザーも、ブッテーロと同じく植物タンニンなめし製法で作られる革ですが、ブライドルレザーの最大の特徴は、仕上げの段階で、ワックス(蝋)を塗り込む点にあります。 このワックスは革の強度を高めるために塗り込むのですが、このワックスが固まって表面に白く浮き出るのが「ブルーム」です。 ブライドルレザーは手綱など、馬具に使用されることを目的に開発された革のため、「強度に非常に優れた革」として知られています。 しかし、馬具用に開発されたといっても、革小物の製作に使用されているブライドルレザーは柔らかく加工されていることもあり、強度において「ブッテーロよりブライドルレザーの方が圧倒的に優れている」というわけではありません。 ブライドルレザーの表面は硬質で、ブッテーロに比べると比較的傷がつきにくいですが、ブッテーロの方が伸縮性があるため、革の裂けにはブッテーロの方が強いといったように、強度においてもそれぞれ特性があります。 Munekawaが「変えること」と「変えないこと」 革製品は、用途やパーツに合わせて革を漉(す)き、厚みを調整してから仕立てます。Munekawaでは、同じデザインの製品でも、革が変われば、この調整を見直すのが通常です。 Munekawaが同じ製品をブライドルレザーで製作するときは、硬質で張りのある革の持ち味を活かすため、ブッテーロよりも少し厚みを残して仕立てています。 一方で、収納の設計、構造、縫製は、ブッテーロ版とすべて同じです。 どちらの革を選んでも、使い勝手は変わりません。機能で迷う必要がないからこそ、純粋に革の好みだけで選んでいただけます。 ブッテーロとブライドルレザー、選び分ける4つの視点 それでは、ブッテーロとブライドルレザーの選び分けの視点を4つご紹介します。どの視点も、実際にお店でお客様にお伝えしているものです。「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが今の自分に合うか」で考えてみてください。 1.色と表情の好み 染料の色が透けるような、透明感のある発色を楽しみたいならブッテーロ。ブルームをまとった、深く落ち着いた色味に惹かれるならブライドルレザーがおすすめです。...

新色ブルーレギオン登場。エプソンで作るEncase&Palm(ブルーレギオン・ブラック)を各色5セット限定で販売します

新色ブルーレギオン登場。エプソンで作るEncase&Palm(ブルーレギオン・ブラック)を各色5セット限定で販売します

型押しレザー「エプソン」で作る、封筒型長財布"Encase"と極小コインケース"Palm"を数量限定で販売します。 カラーは、定番の「ブラック」と、新色の「ブルーレギオン」の2色。今回は、ロゴにゴールドの箔押しを施した、少し特別感のある仕様に仕上げました。 販売数は各色5セットで、2026年8月26日(水)22:00より販売開始予定です。EncaseとPalmのセットはもちろん、それぞれ単品でもお求めいただけます。 商品ページはこちら8/26 22:00販売開始 新色「ブルーレギオン」とゴールドの箔押し 今回ご用意したのは、新色の「ブルーレギオン」と定番の「ブラック」の2色です。 注目の新色ブルーレギオンは、鮮やかすぎず、暗すぎない、少しくすみのある落ち着いたブルー。 エプソンの細かく均一なシボと合わさることで、静かで上品な表情に仕上がっています。ビジネスの場で取り出しても浮かない、大人の持ち物に馴染む色合いです。 定番のブラックも、どんな装いにも合わせやすい王道の一色でありながら、エプソンの均一なシボが黒の端正さを引き立てています。流行に左右されず、長く飽きずに使える一色をお探しの方には、ブラックがおすすめです。 今回は、2色ともロゴをゴールドの箔押しで入れています。 革に凹凸だけを付ける刻印と違い、落ち着いた革色の上で小さく光るゴールドが、限定品らしい特別感を添えてくれます。 型押しレザー「エプソン」について エプソンは、細かく均一な型押しが施された牛革です。 表面がプレス加工によって固く引き締められているため、傷や汚れ、水分に強く、型崩れしにくい耐久性が特徴。 日常的な摩擦や軽い爪傷などでもダメージを受けにくく、あまり気を使わずに革製品を持ちたい方にも扱いやすい革です。 ブッテーロは、使い込むほどに色艶が深まる経年変化が魅力ですが、エプソンは、手にした時の状態を長く保ちやすい革。革を育てる楽しみとはまた違う、「いつ見ても変わらない端正さ」を楽しんでいただけます。 エプソンで作るEncaseとPalm 封筒型長財布"Encase" 封筒型のEncaseは、ファスナーやホックなどの金具を一切使わないシンプルなデザインです。金具がないぶん、革の質感がそのまま正面に出ます。エプソンの均一なシボと上品な発色は、Encaseの「革が主役になる形」とも良い相性です。 最も厚い部分で約2cmという薄さはそのままに、カード6枚、紙幣約25〜30枚をしっかり収納。スーツやジャケットの内ポケットにもシルエットを崩さず収まります。傷や水分に強いエプソンなら、毎日出し入れする財布としてより気兼ねなくお使いいただけます。 極小コインケース"Palm" 極小コインケースのPalmは、約5.7×6.4cmの手のひらサイズ。蓋の部分が受け皿になり、小さいながら小銭が確認しやすい構造です。 ポケットに入れて日常的に持ち歩くアイテムだからこそ、摩擦に強いエプソンの実用性が活きます。小さな面材にゴールドの箔押しが映えるのも、Palmならではの魅力です。 販売概要 項目 詳細 販売開始日 2026年8月26日(水)22:00 カラー...

名前に宿る、ものづくりの意図。Munekawa製品のネーミングに込めた意味

名前に宿る、ものづくりの意図。Munekawa製品のネーミングに込めた意味

Munekawaの革製品には、少し聞き慣れない英単語の名前が付いています。なかには、初めて目にしたとき「どんな意味だろう」と疑問に思われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 これらの名前の多くは、使うときの所作や、製品の構造そのものに由来しています。 名前の意味を知ると、その製品がなぜこの形をしているのかが見えてきます。今回はMunekawaの3つの革財布を取り上げて、名前に込めた意味やエピソードをご紹介します。 名前に宿る、ものづくりの意図。Munekawa製品のネーミングに込めた意味 最初にご紹介するのは、L字ファスナー財布「Cram(クラム)」。 手のひらサイズながら小銭・カード・紙幣を収納でき、ファスナーを開けばどこに何が入っているかひと目で見渡せる構造のミニ財布です。 Cramという名前は、英語で「詰め込む」を意味する言葉から取られています。 Cram製作のきっかけは、Munekawaの製品を取り扱うセレクトショップの方から「コンパクトなL字ファスナーの財布を作れませんか?」とご要望をいただいたことでした。 当時、コンパクトなL字ファスナー財布は市場に出始めたばかりで、サイズが小さいぶん容量が足りなかったり、出し入れの際にファスナーが紙幣を噛んでしまったりという問題があったそうです。 そうした使いづらさを気にせず使える、小さくてもしっかり入って、出し入れしやすい財布を作ろう。そんな思いがCramには込められています。 当初、二枚の革を合わせた姿が貝のように見えることから、Cramと似た響きを持つ「Clam(二枚貝)」も候補に挙がっていました。それでもCramに決まったのは、こちらの方が「こんな財布があったら便利だな」という作り手の思いが伝わると考えたからです。 製品の企画から製造まで少人数で行うMunekawaらしい名付けだと感じています。 ▶︎L字ファスナー財布 Cramの詳細はこちら Wedge ― お札を「差し込む」動作から 続いては、薄型ミニ財布の「Wedge(ウェッジ)」。 重さは約22g。シャツやパンツのポケットにすっと収まる薄さで、カード3枚と折りたたんだお札が5〜6枚。キャッシュレス中心の方の「必要最低限」に応える財布として人気のアイテムです。 木材や石などの割れ目に打ち込んで割るV字型の「くさび」という道具がありますが、Wedgeは、二枚の革のパーツの間に、お札を割り入れるように差し込む様子がくさびを連想させることから名付けられました。 ファスナーやホックボタンを使わず、ラフにスッと差し込む使い心地がそのまま名前の由来となっています。 余談ですが、海外の取引先に教えてもらった話によると、Wedgeはイギリスでは「お金」という意味もあるのだそうです。 狙っていたわけではないのですが、財布の名前としてはとても面白い偶然の一致ですね。 ▶︎薄型ミニ財布 Wedgeの詳細はこちら Carriage ― 美しい身のこなしのために 最後にご紹介するのは、薄型二つ折り財布の「Carriage(キャリッジ)」。マネークリップのようにお札を挟み込んで使用する二つ折り財布です。 「コンパクトで、かつカードもしっかり入るお財布が欲しい」というお客様の声から生まれた、Munekawaではロングセラーの一品。...

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