「何枚入るか」より「一枚の取り出しやすさ」で選ぶ。名刺入れの収納枚数と余白の話
名刺入れを選ぶとき、多くの方がポイントにするのが「収納枚数」です。特に職業柄、名刺交換の機会が多い人であれば「名刺が何枚入るか」は名刺入れを選ぶうえで大事なポイントでしょう。 ですが、実際に毎日使っていくと気になり始めるのは、何枚入るかよりも一枚の名刺をすっとスムーズに取り出せるかどうかだったりします。 名刺交換は、相手の目の前で行う所作。ぎゅっと詰まった名刺入れから慌てて名刺を引き出そうとすると、取り出しに苦労して焦ってしまうこともあるかもしれません。 大阪・大国町にあるMunekawa直営店でも、名刺入れ選びのご相談を数多くいただいてきました。今回はその経験も踏まえて、名刺入れの収納枚数と「余白」の考え方をご紹介します。 スペックの数字だけでは分からない、快適に使うための目安として参考にしてみてください。 最大収納枚数と「快適に使える枚数」は同じではない 一般的に、名刺入れの基本情報として書かれている「名刺◯枚収納可能」という数字は、物理的に無理なく収まる枚数を示したものです。 しかし、必ずしもその枚数が名刺交換を快適にこなせる枚数と同じ、というわけではありません。 名刺を一枚ずつ取り出すには、名刺を指で取り出すためのすき間(余白)が必要です。ギリギリまで入れてしまうと、収まってはいるものの、指を差し込む余地がなくなってしまいます。 「余白」といっても、厳密な数値の基準があるわけではありません。名刺の束の上に指先が無理なくすっと入り、束を軽く押さえながら一枚をスライドさせられることです。この動きが引っかからずにできれば、余白は足りています。 使用する名刺入れや、使う人によってさまざまなため、一概にはいえませんが、目安としては最大収納枚数の7〜8割程度に収めておくと出し入れに余裕が生まれやすくなります。 例えば最大50枚収納できる名刺入れなら、普段入れておくのは30〜40枚程度に抑えるとよいでしょう。 名刺を詰め込みすぎると起こる、もうひとつのデメリット 本革の名刺入れの場合、「入るから」といって名刺を限界まで詰め込んだ状態が続くと、出し入れしづらくなるだけではなく、もうひとつの問題につながることがあります。 それが「革が伸びてしまう」ということです。 革は、しなやかで、使い方に合わせて馴染んでいく素材。中身を入れすぎて膨らんだ状態が長く続くと、革が伸びてゆるくなってしまったり、型崩れの原因になってしまったりすることがあります。 そして、一度伸びてしまった革はもう元の状態に戻ることはありません。 詰めすぎは、使い勝手や使う時の所作だけでなく、革そのものの寿命にも関わってくるものです。もちろん、名刺入れだけでなく、財布やコインケースなどにも同じことが言えます。 お気に入りの革製品を長く使うためにも「中身を限界まで入れない」ことを意識してみてください。 革が馴染む前と後で、収納感は変わる もうひとつ知っておきたいのが、同じ名刺入れでも「革の状態」によって収納のしやすさが変わるという点です。 新品の革はまだ張りがあり、ポケットの口も締まっています。そのため使い始めは、表記の枚数より窮屈に感じられることがあります。使い込むうちに革が手と中身に馴染み、口が柔らかく開くようになると、同じ枚数でも出し入れがぐっと軽くなります。 使い始めのうちは無理に枚数を入れず控えめにして、革が馴染んできたら少しずつ増やしていくと、革に無理な負荷がかかりにくく、綺麗に使えるのではないかと思います。 また、名刺入れの中には、収納量に応じて箱のように立体的に広がる「通しマチ」を採用したものもあります。枚数が少ないときはマチが折り畳まれて厚みが落ち着くため、革の馴染みと合わせて、日々の枚数の増減に寄り添ってくれる構造です。 収納枚数に波がある方は、こうしたマチの作りにも注目してみてください。 関連記事 革製品の「マチ」って何?Munekawaの製品に見るマチ設計と自分に合った革小物の選び方 名刺交換がしやすい形で選ぶ 名刺入れには「名刺の取り出しやすさ」「名刺交換のしやすさ」を考慮して作られている製品もあります。これから名刺入れを選ぶ方は、そうした設計に注目してみるのもおすすめです。 Munekawaの名刺入れ「Through」は、先ほどご紹介した通しマチを採用し、最大50枚をスムーズに出し入れできるよう設計した名刺入れです。...