壊れにくい財布の選び方とは?修理・メンテナンス視点で見る革財布の選び方
革は丈夫な素材です。使い方次第では、10年、20年と使い続けることができます。 しかし、どんなに上質な革財布でも、使い続ければ少しずつ負荷が蓄積していきます。 「角がすり減る」「折り目に癖がつく」「金具の動きが悪くなる」 こうした故障や不具合は、避けられないものでもあります。 今回は「修理・メンテナンスの視点」で見る財布の選び方についてご紹介します。 新しい財布をご検討の方や、お気に入りのお財布を長く使いたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。 財布の「故障のパターン」を知る 普段、修理のご依頼をお受けしていると「財布の故障にはパターンがある」ことがわかります。まずは、こうした革財布に起こりやすい故障パターンを押さえておきましょう。 1.ホックボタン(スナップボタン)のゆるみ 財布の開閉に使われるホックボタンは、毎日何度も開け閉めするため、金属疲労が起こりやすい部分です。 使い込むうちに「パチン」という感触が弱くなり、気づけばフタが勝手に開いてしまう。これはホックボタンを使用している以上、避けられない現象です。 革は丈夫でも、金属には寿命があります。ホックボタンは「いつかは交換が必要な消耗品」と考えておきましょう。 2.ファスナーの引っかかり・破損 財布に使用されているファスナーも、長く使ううちに不具合が出やすい箇所です。 開閉がスムーズにいかない、途中で引っかかる、閉めたはずなのに開いてしまう。こうした症状が出たら注意が必要です。 無理に引っ張ると、周囲の革を傷めてしまうこともあるので、違和感に気がついたら早めに修理を検討することが大切です。 3.糸のほつれ・縫製の緩み 縫製部分、特に角や曲線部分、開閉時に力がかかる箇所は、糸がほつれやすくなります。 一度ほつれ始めると、放置している間にどんどん広がってしまいます。逆に、早めに対処すれば、簡単な修理で済むケースが多いです。 4.角・折り目の摩耗 財布の角は、ポケットやカバンの中で擦れやすい部分です。 特に財布をズボンの後ろポケットに入れて使う方は、角の摩耗が早まる傾向があります。 折り目部分も、何度も開閉を繰り返すことで革に負荷がかかります。乾燥した状態で使い続けると、ひび割れの原因になることもあります。 なぜ「故障しやすい箇所」があるのか 財布の故障が特定の箇所に集中するのには理由があります。 「動く部分」と「固定される部分」の境目 財布の中で最も負荷がかかるのは、動く部分と動かない部分の境目です。たとえば、ホックボタンの根元。ボタン自体は何度も開閉しますが、革に固定されている部分は動きません。この境目に繰り返し力がかかることで、革が伸びたり、金具が緩んだりします。 ファスナーも同様です。スライダーは動きますが、ファスナーテープが縫い付けられた部分は固定されています。この境目に負荷が集中します。 「外側に出ている部分」は摩耗しやすい 角やコバ(革の切り口)は、物理的に外側に出ているため、擦れや衝撃を受けやすい部分です。カバンの中で他の物とぶつかったり、ポケットの生地と擦れたりすることで、少しずつ摩耗していきます。...