革製品にとって、「金具」は革と同じくらい重要なパーツです。
ホックやファスナー、ベルトのバックル。これらの小さなパーツが、革製品を機能面で支えているとともに、革製品の雰囲気や表情にも大きく影響しています。

今回は、Munekawaが多くの製作で金具に選んでいる「真鍮」についてご紹介します。
真鍮ってどんな素材?
真鍮(しんちゅう)は、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金で、別名「黄銅(こうどう)」とも呼ばれます。
身近なところでは五円硬貨が最も身近に感じるものでしょう。

そのほかにも、金管楽器や建築の装飾、アクセサリーなど、古くから世界中で使われてきました。
その理由は、真鍮が柔らかく加工がしやすい金属であるということ。そして錆びにくいという点にあります。
こうした真鍮の「扱いやすさ」は、革製品の製作する中でも日々実感しています。
時間が磨き上げる、真鍮だけの表情
Munekawaが真鍮を選ぶ一番大きな理由は「雰囲気の良さ」です。
真鍮は、耐食性が高く錆びにくい素材。そのため、革と同じように「経年変化を楽しめる」金属素材なのです。

使い始めは、明るい金色ですが、空気や手に触れることで表面が酸化し、輝きは次第に落ち着いてきます。
さらに時間が経つと、光沢は鈍くなり、色合いは深く変化していきます。
長い年月を経た真鍮は、アンティーク家具のような、重厚で温かみのある表情を見せてくれます。これはメッキ加工では決して味わえない、真鍮無垢材ならではの魅力です。

工房には、お客様が長年使い込んだ製品が修理で戻ってくることがあります。
革が見事な飴色に育っていたのはもちろん、真鍮の金具が美しいアンティークゴールドに変化していて、私たち製作スタッフも思わず見入ってしまいました。
真鍮との付き合い方
真鍮のお手入れについてご相談いただくこともあります。
ここでは、真鍮のお手入れについてご紹介します。
基本は、時々拭くだけで十分
普段のお手入れに気を使いすぎる必要はありません。基本的にはなにもしなくても十分に自然な経年変化が楽しめます。
汚れなどが少し気になる場合は、革のお手入れのついでに柔らかい布などで、表面の指紋や汚れを優しく拭き取るだけで十分です。
緑青が発生した時のケア
ベルトなど、体に密着させて使う製品は、汗や湿気が長く付着すると、緑青(ろくしょう)と呼ばれる青緑色の錆が発生することがあります。緑青は皮膚に触れても無害ですが、気になる場合は以下の方法で除去できます。

緑青を取り除く方法
綿棒や布の端切れで緑青を優しく取り除きます。強く擦ると傷つける恐れがありますのでご注意ください。柔らかめの歯ブラシもおすすめです。
輝きを出したい時のお手入れ
緑青が取れた後に、さらに輝きを出したい場合は、以下の手順でケアを行なってください。
- 金属用クロスや研磨剤で、緑青が発生した金具の表面を研磨します。
- クリーム等が残らないよう、しっかり拭き取ります。
予防方法
一度発生すると再発する場合がありますので、普段からのメンテナンスが大切です。
- 使用後、付着した汗や皮脂を柔らかい布で拭き取る
- 保管時は風通しが良く、湿気の少ない場所に置く
緑青は表面に皮膜を作り、内部の腐食を防ぐ効果もあると言われています。これも真鍮ならではの変化の一つとして、残しておくのも一つの選択肢です。
また、Munekawaのスタッフたちは、エイジングした真鍮の燻されたような色味に味わいがあって魅力を感じていますので、そのまま使っていただくのもおすすめです。
▶︎参考記事:緑青のケア(手入れ)と予防方法
まとめ
革と真鍮は、共に時間をかけて変化していく素材です。革が色艶を深めていくように、真鍮の金具も独特の風合いに育っていきます。

もし「具体的にどんなふうに変化するのかな?」と気になる方は、ぜひ大阪・大国町にあるMunekawaの直営店にもご来店ください。
実際に数年エイジングした製品サンプルもたくさんご用意しています。
自分だったら、どんなふうに革や真鍮の風合いの変化するだろうと想像しながらご覧いただくのも楽しいと思います。製品のお手入れに関するご相談などもお気軽にどうぞ。
皆さまのご来店をお待ちしています。