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使いやすさのための、細部への工夫。カードケース「Tuck」の底の角をカットする理由

Munekawaのアイテムのなかでも、一二を争う人気を誇るICカードケース「Tuck(タック)」。

ポケットやバッグの中でも邪魔にならないスリムな佇まいでありながら、3つの独立したポケットを持つ、Munekawaでも一二を争う人気アイテムです。

Munekawa ICカードケースTuck

すでにご愛用いただいている方も多いTuckですが、その細部に目を向けると、少し不思議な特徴があります。 底の縫い目が端まで届かずに手前で止まり、角が斜めにカットされているのです。

「端まできっちり縫い合わせたほうが丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。けれど、ここにあえて縫製を入れないことこそが、Tuckの心地よい使い心地を生み出す大きなポイントなのです。

なぜ端まで縫わないのか。なぜ角を落としているのか。 今回は、Tuckの細部に込めたものづくりの工夫をご紹介します。

カードケース「Tuck」とは?

まずは、Tuckがどんなカードケースなのかを簡単にご紹介しておきましょう。

サイズは縦6.7cm×横9.7cm、厚さはわずか約6mm。手のひらにすっぽり収まるコンパクトなサイズ感ですが、最大の特徴は「3つの独立したポケット」を使い分けられる点にあります。

Munekawa ICカードケースTuck 使用イメージ
  • メインポケット(ホック付き)
    カードをまとめて5枚ほど、名刺なら10枚程度収納可能。小銭や三つ折りの紙幣を入れて、キャッシュレス時代のコンパクト財布としても活躍します。

  • 正面ポケット
    カードがすっぽり隠れる深さ。交通系ICカードを入れておけば、パスケースとして改札もスムーズにタッチできます。

  • 背面ポケット
    カードの頭が少し覗く浅めのポケット。指をかけてワンアクションで取り出せるので、毎日使うメインカードにおすすめです。

薄いのに、きちんと入って取り出しやすい。 この両立を支えているのが、Tuckならではの「底の構造」です。

詳しい使い方は動画でもご紹介しています。

底のステッチを、途中で止めている理由

Tuckの底を見ると、中央を通る縫い目が端の手前で止まり、両端の角が斜めに小さくカットされているのが分かります。

Munekawa ICカードケースTuck 底辺部の仕様

革製品を作るうえでは、強度を高めるために端から端まできっちり縫い合わせるのが一般的です。 ですが、このTuckにおいては、あえて最後まで縫い切らない設計を選びました。

もし底を端までぴったり縫い合わせてしまうと、2枚の革が強く密着します。 そうすると、厚みのあるプラスチックカードを入れたときに革全体が突っ張ってしまい、カードの角が内側に引っかかって、スムーズに出し入れすることが難しくなってしまいます。

そこでTuckでは、縫い目をあえて両端の手前で止め、さらに角を斜めにカットしています。 角を落としてなくすことで、縫われていない部分の革が突っ張らず、自然に外側へ逃げられるようになります。

縫われていない両端が生み出す「マチ」

底の両端をあえて縫い止めず、角を斜めにカットしておくことで、その部分の革は固定されずに自由に動ける状態になります。

Munekawa ICカードケースTuck 側面から見た様子

Tuckの両端を指で軽く押し込んでみると、縫われていない底の角がふんわりと内側にたわみ、ふっくらとした立体的な空間が立ち上がります。

通常、カードケースに容量を持たせようとすると、側面に別の革パーツ(マチ)を縫い合わせるのが一般的です。しかし、パーツを増やすとその分だけ革の重なりや縫い目が増え、どうしても全体が厚くなってしまいます。

Tuckは、別パーツのマチを足すのではなく、「革本来のしなやかさ」を利用してマチの役割を持たせるという方法をとりました。

Munekawa ICカードケースTuck 収納量イメージ

中にカードが入っていないときは、すっきりと薄いまま。 カードを入れると、その厚みに合わせて縫われていない両端が自然にたわみ、必要な分だけの立体的な空間が生まれます。

「薄さ」を損なうことなく、毎日の出し入れに必要な「収納力」もしっかり確保する。 一見すると縫い残しのようにも見える底の処理は、この2つを両立させるためにたどり着いた工夫です。

縫わない🟰糸切れする箇所を減らす

底の角を縫わないこの構造には、実は「容量を生み出す」ことのほかにもうひとつ理由があります。 それは、「糸が切れてしまうリスクを減らすこと」です。

革製品の修理でとても多いのが、「縫い糸のほつれや擦れ切れ」です。 革自体は何年も持つ丈夫な素材ですが、縫い目はどうしても日々の使用の中で摩擦の影響を受けやすく、ステッチの箇所が増えるほど、糸が傷む可能性のある場所も増えてしまいます。

Munekawa ICカードケースTuck 側辺の縫製がない箇所

Tuckは、革のたわみを利用して容量をつくっているため、一般的なカードケースのように側面にマチを縫い合わせる必要がありません。 つまり、日常で最も摩擦を受けやすい「両サイドの縫い目」そのものをなくすことができています。

縫うべきところはしっかりと縫い、不要な部分はあえて縫わない。 余分な縫い目を減らすことは、製品をすっきり薄く仕上げるだけでなく、何年も安心して使い続けていただくための耐久性にも直結しています。

毎日の使いやすさを支える、小さな工夫

カードケースを選ぶとき、見た目のデザインや収納できる枚数が決め手になることが多いかもしれません。 けれど、今回ご紹介したような一見すると目立たない細部にも、日々の使い心地を左右する大切な理由が込められています。

Munekawa ICカードケースTuck 使用シーン

カードケースに限らず、革小物や革財布を選ぶときは、ぜひ細部の形状や仕立てにも注目してみてください。作り手のこだわりや使いやすさの工夫が見つかるかもしれません。

大阪・大国町の直営店では、実際にご自身のカードを何枚か入れてみて、ポケットに入れたときの収まりの良さや革の感触を確かめていただけます。 また、オンラインストアでも製品のディテールをできる限り詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。


Munekawa代表・宗川によるICカードケースTuckの解説動画でも、より詳しく解説しています。是非ご覧ください。


▶︎Munekawaオンラインストアはこちら
https://munekawa.jp/

▶︎Munekawa直営店の詳細はこちら
https://munekawa.jp/pages/store

Feature

Munekawaが「自社生産」を大切にする理由

Munekawaは1999年の創業以来、「長く使える革製品を届けたい」という想いで、製品作りを続けてきました。

「売ること」だけではなく、「使い続けてもらうこと」を大切に、企画・製作・販売から修理まで、すべて自社で一貫して行っています。

なぜ少人数の私たちが、これほどまでに「自社生産」にこだわるのか。

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