革財布を長く使って頂きたいとの思いで、日々ものつくりをしていますので、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、【 革財布をダメにするNG行為 】について、まとめていきたいと思います。
【1】革財布を濡れたまま使う
革財布を濡れたまま使うことは、サイフを変形させてしまいますので、絶対にやめて下さい。
急に雨で濡れたり、会食の席で、コップが倒れて革財布が濡れてしまったり、夏場ですと、ポケットに入れていて汗でサイフが濡れてしまったり、想定できないようなところで濡れてしまうことがあります。
そんな時は、焦らずに慎重に対処しましょう。
革自体は、水に弱いというのが一般的ですが、適切に対処することで、ダメージを最小限にすることができます。
下記の順で対処をしてください。
1、財布の中身を全て出し、乾いた布やキッチンペーパーのような紙で軽く押さえるように、全体の水気を取り除きます。
2、ポケットやファスナーなど、開けられるところは、全て開けて風通しの良いところに置き、陰干しをしてください。この時、財布の接地面をできるだけ少なくしてください。接地しているところは乾きにくくなります、時々上下を入れ替えながら革財布を立てるようにして干してください。タオルなどを下に敷いて置いて干すと良いと思います。(接地面小さくするために、洗濯バサミなどで挟んで、ぶら下げて乾かすのはNGです。挟んだ型がついてしまいます。)
3、最低でも室内で3日以上は干してください。ここで焦って湿った状態で使ってしまうと、革財布の型崩れやカビの発生につながります。焦らずゆっくり乾かして下さい。絶対にドライヤーなどを使って強制的に乾かさないでください。革が固くなります。
4、完全に乾いたのち、オイルやクリームでケアをして下さい。完全に濡れてしまった場合は、ミンクオイルなどのよく浸透するオイルを使用するをおすすめします。あまり浸透しないものでも、頻度を上げて繰り返し塗り込んでもらうことで、効果はあると思います。
これで完成です。
革の様子を見ながら、革のお手入れの頻度を調整して下さい。
革を濡れて乾くと縮む特性があります。カードのポケットなど少し縮むことも考えられますが、時間をかけて使いながら伸ばして下さい。
オイルケアの方法がわからない方は、動画↓を参考にして下さい。
【2】小銭を入れすぎた状態で使う
小銭入れ付きの財布に、小銭を過剰に入れると革や縫製などに負荷がかかり革財布自体の形状が変化してしまいます。
また、形状が変わってしまった財布をパンツのポケットなどに入れて使用すると、更に革財布へのダメージをすすんでしまいます。
実は…小銭れ付きの財布を潰してしまう原因NO1は、小銭の入れすぎです。
コインの重なりにより、厚みのバランスが崩れてしまい、財布を歪な形になってしまいます。
また、小銭によって変形することで、財布に入れているカードが割れてしまったり、曲がってしまうこともあります。
財布を長く使いたい方は、小銭の枚数を減らして使うことをおすすめします。
小銭入れのついていない財布を使い、小銭を分けて小銭入れに入れて使う方法も財布を長持ちさせる方法の一つです。
とは言っても、小銭を分けるのは難しい。そういう方には、小銭を一時退避させておける場所を作っておくのも方法です。
・財布と別にカバンの中に小銭入れを持っておく。
・机の引き出しの中に小銭のスペースを作る。
・貯金箱に入れる。
などの方法も財布のダメージを減らす方法です。
小銭付き財布を長く使いエイジングを楽しみたい方は、小銭が財布にダメージを与えていることを頭の片隅に置いておいてください。
【3】カードフォルダの2枚差し
よく見かけることですが、財布に3段、4段とカードを一枚一枚入れられる仕様に作られたカードフォルダーがありますが、その部分に2枚3枚と差し込んでおられる方をよくみます。これをしてしまうと、革が伸びたり、両サイドの革が切れてしまいます。
伸びたり、切れたりしても使えるので、問題はないように思いますが、2枚入っていたところが1枚のカードになると、簡単に抜け落ちてしまいます。大切なカードの紛失にもつながるので、一枚の差し込みを推奨しています。
一枚差しのカードフォルダは、使用頻度が高いカードを使いやすくするための仕様です。そこに数枚差し込んで、探すような状況にしてしまうと、機能を低下させてしまっています。
修理の面でも、カード段の修理は分解するパーツが増えてしまうので、費用もかかってしまいやすい部分です。
長く使って頂く為には、やはり一枚差しをお勧めします。
それでも、必要な時にカードがないと困るという方は、別にカードケースを持つことをお勧めします。
私もカバンにカードケースを携帯しています。ここは革のカードケースでなくても良いと思います。プラスチックでできている嵩張らない物を使うのも方法だと思います。
【4】お尻のポケットに財布を入れる。
男性の方が多いですが、スボンのポケットに財布を入れるという行為は、歪みや湿気で確実に財布を傷めてしまいます。ポケットに入れるのは、やめてくださいと言いたいところですが、これを止めるとなると不便が大き過ぎるので、ここは、使い方としてOKだと思っています。
Munekawaの物作りの考えの中で「長く使って頂きたい」という思いが最優先事項になります。「長く使って頂くためには、便利でないといけない」という考えもありますので、ポケットへの入れ方を工夫してもらいたいと思っています。上下と裏表を入れ替えながらポケットに入れることで、財布の歪みを補正しながら使っていく方法です。こうすることで、財布の負担が分散されて長く使うことができます。また、スボンのポケットに財布の形がついてしまったり、穴があいてしまうということも軽減させることができます。
【まとめ】
ここまで、読んで頂くと革財布を長く使うためには、少し制限があって、不便に感じてしまうかもしれませんが、私たちの作っている革財布やバッグは、生活を便利にする道具だと思っています。使って傷つくこと潰れることは、当然の事と思っていますので、自由に気軽に使ってもらうことが一番です。2番目に、ご紹介した4つの事を少し気にかけてもらうだけでいいかなと思っています。
・革財布を濡れたまま使わず、完全に乾かしてから使う。
・できるだけ小銭は少なくして革財布を使う。
・カードフォルダは一枚差しにする。
・お尻のポケットに財布を入れるときは、上下裏表に財布の向きを変える。
これら4つを気をつけてもらうだけで、随分長持ちして使ってもらえると思います。
Munekawaで革製品を購入いただく方は、皆さん「長く使えること」を中心に考えて購入いただく方が大半です。
その考えの中には、長く使ってコストパフォーマンスを高めたいというよりかは、「革のエイジングを楽しみたい」、「財布が変わって利便性を変えたくない」、という思いを持っておられる方がほとんどです。そのようなご要望にお応えできるように、修理をしやすい構造で作ったり、修理をお受けできるような体制で物作りをおこなっています。もちろん修理をお受けした際には、革のお手入れもしてから、お返ししています。
私たちの作った革製品が、使って頂くお客様にとって少しでも便利で楽しいモノになれば、私達は嬉しいです。
【Behind The Scenes-製作の裏側】
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革のお手入れに関するブログ記事
下記特集ページでは、レザーオイル選びに役立つ情報をまとめております。
・初めてでも安心。革のお手入れ方法とケアアイテムの選び方– 東急ハンズなどで買えるケアクリーム6 選 –
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