革財布は、毎日手にするものだからこそ、デザインや使い心地にこだわって本当に気に入ったものをつかいたいですよね。
しかし、革の種類やお手入れ方法など専門的な知識が必要そうで、購入に一歩踏み出せなかったり、使い方に不安を感じたりする方も多いのではないでしょうか。

「自分にぴったりの財布を見つけたい」「せっかくなら、美しい状態で長く愛用したい」
今回は、そんな皆様からよく寄せられる質問に、私たちMunekawaが一つひとつ丁寧にお答えします。
購入前の選び方から日々のお手入れ、もしもの時のトラブル対処法まで革財布にまつわるQ&Aをステップごとにまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
革財布の「購入」に関するQ&A
まずは、購入前によく頂く質問から。財布選びの際に気になる革に関する疑問についてお答えします。
Q1. 革の種類が多くて違いが分かりません。代表的な革の特徴は?

A. 革財布に使われる革は、様々な種類がありますが、大きく以下の3つに分けて考えるのがわかりやすいのではないかと思います。
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植物タンニンなめし革
植物由来の渋(タンニン)でじっくり時間をかけてなめされる革。ブッテーロをはじめ、ブライドル・コードバンなども植物タンニンなめし製法で作られています。
この革の最大の特徴は「エイジング」です。使い始めはやや硬めですが、使い続けると徐々に革が柔らかく、艶や色味を増していきます。「革が経年変化していく様子を楽しみたい」という方にはおすすめです。
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クロムなめし革
塩基性硫酸クロムという化学薬品を使用して革をなめす製法。軽さ・しなやかさ・耐水性が高い現代的な革素材です。Munekawaでも型押しレザー「JOY」やシュリンクレザーなどで使用しています。メンテナンスも乾拭き+年1回程度の薄いクリームでOK。植物タンニンなめし革のようなエイジングはあまり起こりませんが、扱いやすく、手軽に革を楽しみたい方にはおすすめのレザーです。
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その他の希少革など
その他の革素材として、ワニ・リザード・オーストリッチといったエキゾチックレザーや、スエードなどの起毛革が挙げられます。エキゾチックレザーは繊維密度が高く耐久性も抜群で、10年以上の長期使用でも艶が増していく人気革素材。起毛革はしっとりした手触りと温かみが魅力。ただし水や汚れを吸いやすいため、防水スプレーと専用ブラシによるこまめなケアが大切です。
それぞれ個性や魅力が異なりますので、ご自身の好みや用途に合う革を想像しながらご覧ください。
▶︎参考記事「植物タンニンなめしとは?特徴、メリット、注意点を詳しく解説」
▶︎参考記事「シュリンクレザーと型押しレザーとは?革の特徴やお手入れ方法などをご紹介」
Q2. 「本革」と書かれていれば安心?良い革の見分け方は?

A. 「本革」という表記だけでは実は範囲が広く、品質を保証するものではありません。
「本革」と表記されるもの中には安価な加工革も高品質なレザーも含まれるため、一概に言うことはできません。良い革かどうかを見分けるには、以下の2つのポイントに注目してみてください。
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銀面(ぎんめん)のキメ細やかさ
革の表面である銀面をよく観察しましょう。動物の皮膚由来の自然なシボ(皺模様)や毛穴が均一で細かいものは上質な革の証です。
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コバ(裁断面)の処理
革の裁断面であるコバの仕上げも職人の技術が表れる重要な部分です。丁寧に磨かれて滑らかになっているか確認しましょう。コバが美しく仕上げられているものは、全体的に高品質に作られている場合が多いです。
Q3. プレゼントに革財布を選ぶ時のポイントは?

A. 贈り物として革財布を選ぶ際は、相手のライフスタイルを想像することが大切です。
特に以下の3つのポイントに着目すると、喜ばれる最適な財布を見つけやすくなります。
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ライフスタイルに合った「形状」を選ぶ
相手の服装やライフスタイルは財布選びのヒントになります。
スーツの内ポケットに財布を入れることが多い方には薄型の長財布、カジュアルな服装で鞄を持ち歩かない方には二つ折り財布、といった選び方が良いでしょう。
最近はキャッシュレス派が増えており、コンパクトなミニ財布が男女問わず人気です。相手の生活スタイルにマッチする形状を選ぶことで、「使いやすい!」と感じてもらいやすくなります。
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持ち物に合わせた「収納力」を考える
相手が普段どれくらいの現金やカード類を持ち歩いているか、さりげなく観察してみましょう。カードが多い方ならカードポケットが豊富なもの、小銭をよく使う方ならマチが広く見やすいコインケース付きのものなど、「自分のことをよく分かってくれている」と感じてもらえるポイントです。持ち物の量に合った収納力の財布を選べば、実用性もバッチリです。
革財布の「使い始め」に関するQ&A
お気に入りの財布を手に入れたら、すぐにでも使いたいものです。ここでは、新品の革財布を手にして間もない頃によくある疑問にお答えします。
Q4. 財布の表面に白い粉が…これはカビですか?

A. 白い粉の正体は、多くの場合「ブルーム」と呼ばれる革に染み込んだロウや油分が表面に浮き出たものです。
特にブライドルレザーなどロウを豊富に含んだ革に見られる現象で、高品質な革である証拠でもあります。
カビの場合は緑色や黒っぽい斑点状に発生し、独特のカビ臭があります。一方でブルームは均一に広がる白い粉状で、革やロウの香りがするのが特徴です。見た目と臭いで判別できますので、落ち着いて確認してみてください。
ちなみに、もしカビが発生した場合は早めの対処が必要です。
アルコールを含まないレザー用クリーナーで拭き取り、陰干しで乾燥させるなどの処置を行いましょう。カビや臭いが取れない場合は専門のクリーニング業者に相談することをおすすめします。
▶︎参考記事:革製品のお手入れで陥りやすい5つの誤解と、正しいお手入れ方法
Q5. 新品の革財布、使い始める前に何か手入れは必要ですか?

A. 高品質な革財布は製造段階で十分なオイルやロウが含まれているため、購入後すぐの特別なケアは基本的に不要です。 まずはそのまま使い始め、革本来の豊かな風合いを楽しんでみてください。
ただし、未使用とはいえ製品の保管期間や状態は物によって個体差があるため、使いはじめに「プレケア」をしておくとより良い状態で使い始めることができます。
Munekawaをはじめ、購入後のプレケアに対応しているレザーブランドがありますので、財布のエイジングを楽しみながら丁寧に使い続けたい、という方は是非チェックしてみてください。
革財布の「日常使い」に関するQ&A
毎日使うものだからこそ、ちょっとした違いが使い心地を大きく左右します。ここでは、日常のシーンで役立つ革財布の構造に関する知識や、使いこなしのコツをご紹介します。
Q6. 財布の内装が「革」か「布」かで、日常の使い勝手はどう変わりますか?

A. 財布内部の裏地素材によって、財布の厚み・重さ、耐久性が変わってきます。
内側も革で作られている財布は、手に取った時の重厚感や贅沢感があります。また、耐久性が上がり、長く使えるメリットもあります。一方、裏地に布地を用いた財布は、革に比べると軽量なのが特徴です。
総革と布地、それぞれに特徴があります。「堅牢性・高級感を取るか、軽快さを取るか」が選択のポイントになります。
多くのレザーブランドが日々、改良を繰り返し、内側に革を使いながら軽く仕上げていたり、裏地が布でも強度を上げる工夫などを重ねています。
そういった視点を持って財布を選ぶと、革製品の奥深さに気づけて楽しいものだと思います。是非意識してみてくださいね。
▶︎参考記事:特集ページ「Munekawa's Craftsmanship」
Q7. 財布の「閉じ方」で、使い勝手はどう変わりますか?

A. 財布の開閉方式は、使い勝手、使用時の所作や安全性など、財布を選ぶ上での大事なポイントです。
それぞれ以下のような特徴があります。
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金具のないオープンタイプ
留め具がないため開閉の動作が最もスピーディーです。レジ前でさっとお札やカードを出し入れできる機動性が魅力。ただしカバンの中で他の物に引っかかった拍子に中身が飛び出すリスクもゼロではありません。
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ホックボタン式
パチンとボタンを留める一手間がかかりますが、その分、不意に財布が開いて中身がこぼれる心配が少なく安心感があります。小銭入れ部分がボタンで留まるタイプも多く、硬貨の飛び出し防止に有効です。
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ファスナー
三種の中で最も密閉性が高いタイプです。中身が外部から全く見えず、財布自体を落としても中身が散乱しません。ただしファスナーの開閉には基本的に両手が必要になるため、お会計の際に少し手間取ることも。またラウンドファスナーの場合は財布が厚くなりがちです。
それぞれの特徴を念頭に、どれが一番ご自身のライフスタイルに合っているかで選ぶようにしましょう。
革財布の「修理・トラブル・経年変化」に関するQ&A
長く使うほどに愛着が湧くのが革製品の魅力。最後の章では、革財布を長く使う上で必要な知識や、万一トラブルが起きた時の対応法についてお答えします。
Q8. ファスナーが壊れたり、糸がほつれたりしたら修理できますか?

A. はい、革財布はパーツごとの修理が可能です。
多くの革製品メーカーや修理専門店では、ファスナー交換・ステッチ(縫い糸)の縫い直し・金具交換など様々なリペアを行っています。「お気に入りだけど壊れてしまった…」という場合でも、多くの場合綺麗に直りますので諦めないでください。
信頼できるメーカーの製品であれば、修理を重ねながら何十年も使い続けることができます。一つの財布を直しながら大切に使い続けることで、より愛着を感じる離れがたい一品となっていきます。
Munekawaでもお使いのMunekawa製品の各種修理を承っておりますので、何かお困りのことがあればいつでもお気軽にご相談ください。
Q9. 革財布が雨などで濡れてしまった場合、どうすればいいですか?

A. 革にとって水分は大敵です。慌てず素早く対処をしましょう。
水濡れを放置するとシミや型崩れ、場合によってはカビの原因にもなります。
もし雨や飲み物で財布が濡れてしまったら、 中身を取り出し、乾いた柔らかい布で濡れた箇所をポンポンと優しく叩くように水気を吸い取りましょう。ゴシゴシ擦ると革を傷めるのでNGです。
ある程度水分を取ったら、風通しの良い場所で陰干しします。直射日光に当てたりドライヤーの熱風を当てると、革が縮んだり硬化したりして悪影響がありますので避けてください。自然乾燥でじっくり乾かしましょう。
完全に乾いた後は、革から油分も抜けてカサついた状態になっています。
革用の保湿クリームを薄く塗り込んで栄養を与えてあげてください。
こまで適切に処置すれば、水濡れによるシミ跡も最小限にとどめられるはずです。濡れてしまった時は迅速なケアが肝心ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
Q10. よく聞く「経年変化(エイジング)」とは何ですか?

A. 経年変化とは、革が時間の経過とともに色艶や質感を変えていくことです。
使い込むことで手の油が革に馴染み、日光や摩擦の影響も加わって、色合いは深みを増し艶が出てきます。新品の状態が完璧というわけではなく、使い続けることで持ち主だけの風合いに“育っていく”のが革製品最大の魅力と言えるでしょう。
こうした変化こそが、革財布を「自分だけのもの」にしていく過程であり、多くの革好きが魅了されてやまないポイントです。
特に植物タンニンなめしの革はエイジングしやすく、使い続けるにつれしっとりと馴染んで自分だけの財布に生まれ変わります。経年変化を楽しみに、じっくり時間をかけて育ててみてください。
▶︎参考記事:「革のエイジングとはどんなもの?ブッテーロ、コードバン、ブライドルレザーの経年変化をご紹介」
わからないことはお気軽にご相談ください。
いかがでしたでしょうか?
ポイントさえ押さえておけば革との付き合いは決して難しくありません。正しい知識は、不安を解消してくれるだけでなく、製品への愛着を一層深めてくれます。
この記事が、財布選びの際の疑問や不安の解消の助けになれば嬉しいです。
Munekawaでは、「長く使える、愛着を持って使い続けてもらえる製品つくり」とともに、お客様が革を使う上での疑問や不安を一緒に解決していけるようなお店づくりも大切にしています。
革に関することでわからないことやお困りがありましたら、お気軽にご相談ください。