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梅雨明けがベストタイミング!夏を乗り切る、革財布の徹底メンテナンス術

梅雨が明け、本格的な夏の到来を感じる季節となりました。しかし、革財布や革小物にとっては、これからの季節が一年で最も過酷なシーズンともいえます。

しかし、梅雨や夏が革に良くないと聞いたことはあるけど、実際にどのようにお手入れをすれば良いかわからない、という方も多いのではないでしょうか?

梅雨明けがベストタイミング!夏を乗り切る、革財布の徹底メンテナンス術

 「高価な財布だからこそ、できるだけ長く良い状態で使いたい」

「革のメンテナンスについて、基本的なことを教えて欲しい」

そんな声に応え、今回は「梅雨明け」のタイミングで実践したい、夏の革製品のメンテナンスについて解説します。愛用の品を長く楽しむための参考にしてみてください。

なぜ「梅雨明け」が重要?革が梅雨の間に受けたダメージ

なぜこの時期の手入れが重要なのでしょうか。

理由は、梅雨の間に革が受けた「隠れダメージ」が蓄積している場合が多いからです。

革は「呼吸する素材」と言われるように、空気中の湿気を吸ったり吐いたりします。

湿度の高い梅雨の間、革は無意識のうちに多くの湿気を溜め込みます。放置すれば、革繊維の緩みによる型崩れや、カビの温床になる危険性が潜んでいるのです。

なぜ「梅雨明け」が重要?革が梅雨の間に受けたダメージ

夏本番、汗・高温・紫外線がもたらす革へのダメージ

梅雨が明けると、夏特有の厳しい気候が革製品を襲います。

  • 汗(塩分と水分)
    ポケットに入れた財布は、体温と汗に直接さらされます。汗に含まれる塩分は、革の油分を奪い、乾燥やひび割れの原因となります。
  • 高温
    車内への置き忘れなど、高温の環境は革の変形や、革に含まれるオイルの過剰な染み出しを引き起こす可能性があります。
  • 紫外線
    直射日光は、人間のお肌と同じように革にも大敵。色褪せや乾燥を急激に進行させてしまいます。

梅雨の湿気をリセットし、夏のダメージから革を守る。この両方を一度に行えるのが、「梅雨明け」のメンテナンスです。

革のお手入れの手順

革のお手入れの最初のステップは「革のクリーニング」です。

梅雨の間に蓄積した汚れと湿気を丁寧に取り除くことから始めましょう。

  • 中身の排出と陰干し
    まず、お使いの革小物の中身をすべて取り出します。そして形を整え、風通しの良い日陰で半日ほど置き、内部の湿気をゆっくり逃しましょう。
  • ブラッシング
    全体が乾いていることを確認したら、馬毛ブラシで表面のホコリや縫い目のゴミを優しく払い落とします。撫でるように優しく行うのがコツです。

気になる汚れがある場合は、革用クリーナーを使用します。直接財布に付けず、布に馴染ませてから、優しく円を描くように表面を拭きます。

革用クリーナーを使用する場合は、目立たない所で少量つけてみて、革に影響がないか試してから使うようにしましょう。

革のお手入れ ブラッシングをして革の汚れを落とす

汚れを除去した後は、「革の保湿」を行います。
クリーニングで素に戻った革は、人間で言えば洗顔後の肌と同じ。必要な油分が抜け、少し乾燥しやすい状態です。

その革に必要な油分を加え、革に潤いを与えます。

革用クリーム、オイルで革を保湿
  • クリームの塗布
    保湿用のケアクリームを指、または乾いた布に米粒数粒分ほど取ります。多すぎるとシミの原因になるため、少量から始めるのがポイントです。
  • 薄く均一に伸ばす
    指の腹や布を使い、財布全体に薄く均一にクリームを塗り広げます。コバ(革の断面)やステッチ周りも忘れずケアします。
  • 乾拭き
    クリームが付いていない別の布で全体を優しく乾拭きし、余分なクリームを拭き取って艶を出します。

Munekawaが主に使用しているブッテーロなどの植物タンニンなめし牛革は油分を豊富に含んだ革ですが、定期的に保湿することで乾燥によるひび割れやパサつきを防ぎ、長く美しい状態で使用することができます。

 Munekawa レザーケアクリームのご注文はこちら

「革に防水スプレーは必要?」という質問をよくいただきます。

防水スプレーは水濡れから革製品を守る手段として有効ですが、全ての革製品に使えるわけではありません 必ず、防水スプレーの注意書きを読み、お使いの製品の革が対象かどうか確認するようにしましょう。

革用防水スプレー 使用前に注意書きを読みましょう

スプレーを塗布する際は、財布から20〜30cmほど離し、防水スプレーを全体に均一かつ素早く吹きかけます。一箇所に集中しないよう、さっと動かすのがコツです。

スプレー後、再び風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。成分が定着するまで触らずに待ちましょう。

この夏革製品を使い始める方に。革製品の「プレケア」

革製品を購入して使い始める前に行うお手入れが「プレケア」です。

「プレメンテナンス」と呼ばれることもあり、特に新品の革靴を履き始める際のお手入れでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

革製品は製造後から購入されるまでの保管期間や状態がさまざまです。プレケアを施すことで、革に十分な保湿を与え、より良いコンディションで使い始めることができます。

革製品Munekawa 使用前のお手入れ「プレケア」について

特に夏は高温多湿な季節。革の乾燥や湿気による変化が気になる時期だからこそ、使い始めのプレケアはおすすめです。

これから革製品の購入を検討されている方は、ぜひショップでプレケアサービスの有無を確認してみてください。

Munekawaでも、ご購入前の革製品にプレケアを行うサービスを承っています。お気軽にご相談ください。

▶︎Munekawa「プレケア」の詳細はこちら

お使いの革製品の状態を丸ごと診断「アフターケア」

「革製品を長年使用しているけど、一度もお手入れをしていない」という方は一度プロにお手入れを依頼するのも一つの方法です。

Munekawaでは、お使いのMunekawaの製品をお預かりし、革の状態に合わせてしっかりお手入れをする「アフターケア」サービスも行っています。

革製品Munekawa お使いの革製品のお手入れに「アフターケア」

革質の状態だけでなく、ホックボタンやファスナーの状態や、糸のほつれがないかなど全体的にチェックし、引き続き安心してご愛用いただけるようにサポートします。

▶︎Munekawa アフターケアのご依頼はこちら

夏の革財布ケア よくある質問(Q&A)

Q. ケア用品はどれくらいの頻度で使えばいいですか?
A. 使用状況によりますが、しっかりとしたお手入れは年に1〜2回を目安に行っていただくと良いでしょう。クリームを使った保湿は、革の表面が乾いてきたと感じたタイミング1〜2ヶ月に一度程度で行うのがお勧めです。ただし、あまり神経質にならず、ご自身の可能な範囲で無理なく行っていただくのが良いと思います。

Q. 防水スプレーをすると、革の経年変化は楽しめなくなりますか?
A. 適切に使えば経年変化は止まりません。防水スプレーは革の通気性を保ちつつ薄い保護膜を作るもので、革本来のエイジングを阻害することはありません。ただし、革によっては防水スプレーが適さない性質のものもありますので、必ず注意書きを確認するようにしてください。

Q. 汗をかいた手で触ってしまいました。応急処置はどうすれば?
A. まず乾いた布で優しく汗を拭き取り、風通しの良い場所で湿気を飛ばします。ゴシゴシ擦るのは厳禁です。汗染みが気になれば後日クリーナーでケアすることをおすすめします。日々の小さなリセットが大切です。

Q. 革のケアにハンドクリームは使えますか?
A. ハンドクリームは、「革の保湿」という点では一定の効果がある場合がありますが、革専用に配合された物ではないので、不具合が発生する場合があります。そのため、Munekawaではあまりお勧めしていません。こちらの記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧になってみてください。

Q. 自分でのケアに自信がありません。お店での相談は可能ですか?
A. もちろんです。Munekawa直営店では、スタッフがお客様の革製品の状態を拝見し、最適なケア方法をご提案します。ケア用品の選び方から実践まで、お気軽にご相談ください。

夏を越えた革のエイジングを楽しむために

革に厳しい夏の環境は、見方を変えればエイジング(経年変化)が最も進む季節でもあります。適切なケアでコンディションを整えた革は、夏の日差しや使用頻度で色艶をぐっと深めます。

革製品Munekawa カードケース Tuck 未使用のものとエイジングしたもの。ともにブッテーロのブルー

汗や手の油分も、過度でなければ革の栄養となり、唯一無二の光沢を育てます。丁寧なケアはダメージを防ぐだけでなく、より美しい経年変化への投資です。この夏を越えたあなたの財布がどんな表情を見せるか、ぜひ楽しみにしてみてください。

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Munekawaが「自社生産」を大切にする理由

Munekawaは1999年の創業以来、「長く使える革製品を届けたい」という想いで、製品作りを続けてきました。

「売ること」だけではなく、「使い続けてもらうこと」を大切に、企画・製作・販売から修理まで、すべて自社で一貫して行っています。

なぜ少人数の私たちが、これほどまでに「自社生産」にこだわるのか。

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