梅雨は革製品にとって管理が難しい季節です。
湿気が多くなると、カビやシミの原因になります。また、極端に湿気を含みすぎると表面のシワや型崩れといったトラブルにつながることも。
特に革財布やキーケースなどの革小物は日常的に使用するアイテムのため、知らないうちに湿気をため込んでしまうことも多いです。

そこで今回は、革製品を梅雨の湿気から守るために基本となる「乾燥・汚れ除去・保湿」の3ステップを、実践しやすい方法でご紹介します。
季節ごとのお手入れ方法を知っておくと、より一層安心して革製品を使い続けられます。是非参考にしてみてくださいね。
ステップ1. 湿気を逃して「乾燥」させる
梅雨時期は空気中の湿度が高く、革が水分を吸収しやすい状態になります。
雨に濡れていなくても、バッグやポケットの中に長時間入れておくことで湿気がこもり、カビや型崩れの原因になることがあります。

使用後は財布の中身を出し、形を整えてから風通しの良い場所で陰干ししてください。
長期間使用しない場合は、乾いた新聞紙などを詰めておくのが効果的。内部の湿気を効率的に吸収してくれる上、型崩れも防げます。
ここで注意したいのが「早く湿気を除去したい」と焦る気持ちから無理に乾かそうとすることです。
- 直射日光に当て続ける
- ドライヤーで乾かす
- 濡れたまま強く擦る
これらは革を傷つけたり、硬化や色あせの原因になるので厳禁です。
また、乾燥剤はゼリー状のタイプのものだと、万が一破れた時に革に触れるとダメージに繋がる恐れがあるため、注意した方が良いでしょう。
あくまで自然に、革に無理をさせず湿気を取ることが大切です。
革を保管する時は、密閉された棚や引き出しは湿気がこもりやすいため、できるだけ風通しの良い場所で保管するのがおすすめです。
ステップ2. 表面の汚れを「除去」する
財布やカードケースなど、革小物は手に触れる機会が多いため、汗や皮脂、ホコリなどが少しずつ蓄積します。
これらの汚れは湿度が高い季節にカビの原因にもなるため、定期的に落としておくことが大切です。
汚れを落とす際は、まず柔らかい馬毛ブラシなどで表面のホコリを軽く払いましょう。

次に、乾いたやわらかい布で全体を拭いていきます。
力を入れすぎると表面を傷つける可能性があるため、やさしくなでるように拭き取るのがポイントです。
汗や皮脂が気になる箇所があれば、革用のクリーナーを少量使って部分的にケアしても良いでしょう。
ただし、使用する前には目立たない部分で試して、革への影響がないか確認してから使うようにしてください。
ステップ3. 革に潤いを与える「保湿」ケア
汚れを取り除いた後は、革に適度な潤いを与えることで状態を整えます。
湿気の多い時期でも、表面が乾燥しすぎるとひび割れや硬化の原因になることがあります。
保湿には革専用のクリームを使用します。クリームを指に少量取り、革全体に薄く伸ばすように塗り広げてください。

塗り終えたら、乾いた布で軽く乾拭きして余分なクリームを拭き取ります。
使用頻度が少ない財布でも、月に1回程度の保湿ケアを行うと革の質感を良い状態で保てます。保湿のあとは、再度湿気がこもらないよう通気性の良い場所で保管してください。
万が一カビが発生してしまったら?
どれだけ気をつけていても、保管環境や湿度の影響でカビが発生してしまうことがあります。
もし革製品にカビを見つけた場合は、まずは乾いた柔らかい布で表面を優しく拭き取りましょう。ここでも力を入れてこすると、革を傷めるおそれがあるため注意が必要です。

軽いカビであれば、それだけで改善することもありますが、必要に応じて革製品専用のカビ取りクリーナーを使用する方法もあります。
スプレータイプの製品が多く販売されており、使用前には必ず説明書を確認し、目立たない部分で試してから使うと安心です。
終わったあとは、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させてください。湿気が残っていると再発の原因になります。
カビの発生を繰り返さないためには、日ごろの保管環境を見直し、湿気をためないようにすることが重要です。
おわりに
梅雨の時期でも、基本的なケアを習慣にすれば革製品の劣化を防ぐことができます。
乾燥・汚れ除去・保湿の3ステップはどれも特別な道具や技術を必要とせず、日々のちょっとした気配りで実践できます。是非参考にしてみてくださいね。

梅雨時期からの革製品の使い始めには「プレケア」がおすすめです。
プレケアとは 革製品を使い始める前に行うお手入れのこと。最初に革のお手入れをして、革を良いコンディションに整えておくことで、気候の影響を受けにくく使い始めることができます。
これから革製品を購入しようとお考えの方は、合わせて検討してみてくださいね。
使い始めてからのアフターケアも承っています。
「長く使っていて、革の状態も含めて、全体的にチェックしてみてほしい」という方はお気軽にご相談ください。
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