夏が終わり、涼しく過ごしやすい日が増えてきました。
秋冬は空気が乾燥する季節。毎日使っている革製品が、気づかぬうちに乾燥し、ダメージを蓄積しているかもしれません。
人間の肌と同じように、革製品にとっても乾燥は大敵です。秋冬の乾いた空気は、革から潤いを奪い、放置してしまうと回復が難しいダメージに繋がることもあります。
今回は、本格的な乾燥シーズンに備え、大切な革製品を長く美しくお使いいただくためのレザーケアについて解説します。
最適な手入れの「頻度」や「オイルの量」、そして「正しい手順」を知ることで、誰でも安心して革製品のお手入れができるようになります。
秋冬は革のお手入れが重要
革は、動物の皮から作られた天然素材です。そのしなやかさは、革の内部に含まれる水分と油分の絶妙なバランスによって保たれています。

しかし、空気が乾燥する季節になると、革内部の水分や油分が少しずつ蒸発し、革の繊維が硬くなってしまいます。これが、革製品にとって様々なトラブルを引き起こす原因となります。
乾燥が引き起こす3つの代表的なトラブル
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ひび割れ・銀浮き
革の表面が乾燥によって硬化し、折り曲げなどの負荷に耐えきれず裂けてしまう現象です。一度ひび割れが起きてしまうと、完全に元に戻すことは非常に困難です。 -
色あせ・風合いの劣化
油分が不足すると、革本来の深みのある色合いや、しっとりとした光沢が失われてしまいます。表面がカサついた印象になり、古びて見えてしまう原因にもなります。 -
型崩れ
革が持つべき柔軟性が失われることで、財布などのフォルムが崩れやすくなります。特に中身を入れた状態で変形すると、元に戻りにくくなります。
これらのトラブルを防ぎ、革本来の美しい状態を保つために、秋冬シーズンの定期的な保湿ケアが非常に重要になるのです。
押さえておきたいレザーケアのポイント
革のお手入れは、10分ほどの時間で簡単に行えるものですが、いくつか押さえておきたいポイントがあるので、ご紹介します。
始める前の準備
まず、お手入れに必要な道具を揃えましょう。
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馬毛ブラシ
ホコリ落とし用。毛先が柔らかく、革を傷つけにくいのが特徴です。 -
オイル・クリーム
革に油分を補給するためのもの。 -
柔らかい布
オイルの塗布や、最後の乾拭き用に2枚ほどあると便利です。
【ポイント1】以外に忘れがちなブラッシング
最初に行うのは、革の表面についたホコリや汚れを落とすことです。
オイルやクリームを塗る前のブラッシングは、以外に見落としがちですがとても大切な工程。まずはきちんと汚れを落としておくことでオイルの塗りムラがなく均一に塗布できます。
また、汚れたままオイルやクリームを塗ることで汚れが革に沈着してしまう可能性もあるため、まずはブラシで革表面の汚れを落としてあげましょう。
【ステップ2】オイル・クリームで保湿する
ブラッシングで表面がきれいになったら、いよいよ保湿です。 Munekawaでは、革への浸透性が高いオイルや、表面の保護・ツヤ出し効果も期待できるクリームタイプのケア用品をおすすめしています。
失敗しないための最大のコツは、一度にたくさん付けすぎないことです。
一度に指に取る量は「少し足りないかな?」と感じるくらいの量で十分です。
やりがちなのが、一度にたくさんの量を塗りすぎてしまうこと。塗りすぎは、シミの原因になってしまう場合がありますので注意しましょう。
【ステップ3】乾拭きをして、休ませる
オイルを塗り終えたら、すぐにしまわずに30分〜1時間ほど風通しの良い日陰で休ませ、オイルを革に浸透させます。
その後、何もつけていないもう一枚のきれいな布で、革の表面に残った余分なオイルを優しく拭き取ります。この乾拭きをすることで、表面がベタつかず、美しいツヤが生まれます。
お手入れを始める際は、まず目立たない場所で試してみて、シミなどにならないか確認することをおすすめします。
また、Munekawaでは、ご注文いただいた製品を発送前にオイルケアする「プレケア」サービスもご用意しております。ご購入後すぐのお手入れに不安がある方も、安心して使い始めていただけます。
▶︎参考記事:「プレケア」「アフターケア」のポイントとメリットを解説。
レザーケアのよくある質問(Q&A)
ここでは、お客様からよく寄せられるレザーケアに関する質問にお答えします。
Q1. 防水スプレーは使った方がいいですか?
A. 革にとって水分はシミの原因になるため、防水スプレーは有効な対策です。しかし、全ての革製品に有効なわけではありませんので、使用する場合は、必ず「革用」のものを選び、使用方法を守って、まずは目立たない場所で試してから全体にお使いください。
▶︎参考記事:革のお手入れについてお客様から頂く質問 【5選】
Q2. お手入れをお願いすることはできますか?
A. もちろんです。大阪・大国町にあるムネカワ直営店にお使いのムネカワの製品をお持ちいただければ、オイルケアをいたします。
また、オンラインでご注文いただける「アフターケア」では、お使いのお品をお預かりし、入念なお手入れと不具合がないかのチェックもおこなっておりますので、こちらもご利用ください。
Q3. ひび割れてしまったら、もう使えませんか?
A. 表面の浅いひび割れであれば、保湿ケアをすることで目立たなくなり、それ以上悪化するのを防げる場合があります。しかし、革の繊維が断裂した深い亀裂は回復が難しいため、定期的なお手入れで保湿を行うようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
秋冬の厚手の服装に、革小物はとっても似合う季節。同時に、乾燥に気をつけなければいけない季節でもあります。
今回ご紹介した「ブラッシング」「保湿」「乾拭き」という3つのポイント押さえてを定期的にお手入れすることで、秋冬も快適に大切な革製品を守ることができます。
ぜひ一度、お使いの革財布や小物の状態をチェックしてみてくださいね。



