Munekawaのブランドコンセプトは『物作りで心を豊かにする』こと。
「革」という素材を通して、そして、私たちの技術と知見を通して
製品を使ってくださる方の心が豊かにする。
そんなものづくりを志して、日々製作を行なっています。
Munekawaが革製品の製作において、大切にしていること。
そのこだわりのひとつひとつを、製品工程のポイントや制作風景を通してご紹介します。
01Simplicity
シンプルであること。
「長く使えること」を考え抜いてたどり着いたシンプルな形。
Munekawaが製品作りで最も大切にしていること、それは「長く使えること」
そのためには、「シンプルなデザインと構造」「機能的な使い心地」が重要です。
余計な装飾のないシンプルなデザインは、時代生やトレンドに左右されない、普遍性を持ったデザインとして長く楽しめます。
また、構造をシンプルにすることで、丈夫さと、もし壊れても修理がしやすいメンテナンス性を生み出します。
もの作りは、シンプルであればあるほど高い精度が必要となり、難しくなります。
しかし、これを形にすることではじめて「長く使える革製品」は誕生するのだと考えています。
パーツを減らしシンプルな構造で製作するメリット
革製品を製作する時、使用する革パーツが多いと、堅牢で頑丈な製品になると思われるかもしれません。
しかし、実際はそうではありません。
使用するパーツが増えるほど、縫製による接続部が増え、その分だけ糸ほつれなどの不具合が起こるリスクを持つ箇所が増えてしまうことになります。
必要最低限のパーツと縫製で製作することで、故障のリスクを持つ箇所を極力減らし、革が本来持つ耐久性と張りを活かした製品を作ることができます。
また、将来的に故障した時にシンプルな構造で製作しているため、スピーディーに修理を行えるというメリットも。
関連ブログ
革製品をシンプルにミニマムに作る理由
02Functionality.
機能的であること。
「使う人の視点に立った」機能性の追求
製品の構造やデザインを企画する時、一番大切にしていることが「使う人の視点に立つ」ことです。
これは一見当然のように思えますが、とても難しいことです。
製品の隅から隅まで「なぜこのデザインなのか」「どういう理由でこの構造を採用したのか」明確なイメージを持たなければいけません。
これにはどうしても時間がかかってしまいます。
中には、理想の形を追求するあまり、企画に1年以上かかった製品もあります。
しかし、これを徹底することでしか、心から「使いやすい」と実感できる製品は作れないと考えているため、妥協することはありません。
納得いくまで行う企画会議とサンプル製作
Munekawaでは試作品の製作と企画会議を大切にしています。
新製品の製作時には必ず試作品を製作し、スタッフが実際に普段の生活の中で使用してみます。
そうすると必ず「こういう部分が使いにくい」と感じる部分が出てきます。
実際に使ってみた感想は、週一回行っている企画会議で全員に共有し、改善するための意見を出し合い、再び改善を踏まえたサンプル製作を行います。
「使う人の視点」を持つためには製作するスタッフが「実際に使ってみる」こと。
これを繰り返すことで、全員が自信を持って販売できる製品を形作っていきます。
機能性を実現するたしかな技術力
「使いやすいく手に馴染む」製品を作り出すためには、革という素材への深い理解と高い技術力が必要となります。
たとえば、革の厚みを上げると強度は増す一方で、完成した時に重くしなやかさの少ない、使いにくいものになってしまいます。
どうすれば、革に厚みを出しすぎず、強度を出せるか、理想の形に近づけるかを考え、革の厚みを0.1ミリ単位で調整することも少なくありません。
縫製も製品の形状や構造によって、その難易度はさまざま。
特に曲線の多いパーツの製作や縫製は高度な技術が必要です。
アイディアを形にするための企画力。そして、企画を形にするための革という素材の理解と高い技術力。
すべてが「使いやすいく手に馴染む」製品作りに欠かせない、重要な要素です。
03Robustness
堅牢であること。
安心感を持って使うための「堅牢な作り」
革財布やキーケース、名刺入れなどの革小物は毎日持ち歩くことが多いアイテム。
だからこそ安心感を持って使うためにも「丈夫であること」はとても重要です。
堅牢で丈夫な製品を作るためにMunekawaが大切にしていること、それは「革を知ること」と「手間をかける」ことです。
革一枚一枚が持つ特徴や強みを活かし、繊細な技術が要求される箇所には手間を惜しまない。
これによって、長年使っても変わらない使い心地と堅牢さを実現しています。
裏地にピッグレザーを使用する
外側は綺麗でも、内側から損傷していくケースは多く見られます。
製品全体の強度を保つためにも、裏地に革素材を使用することは非常に重要です。
Munekawaは裏地素材として、日本産のピッグレザー(豚革)を使用しています。
耐久性と通気性に優れた性質を持ち、硬貨や鍵など、硬いものを収納することも多い革小物の裏地素材に最適。
豚革を使用することで、高い強度と薄くコンパクトなサイズ感を両立することができます。
関連ブログ
豚革の持つ魅力
3重縫製で強度を上げる
フラップやポケットの開口部など、開いて使う部分はそれだけ負荷がかかりやすい箇所です。
Munekawaでは、こうした部分の縫製は「3重に返し縫い」しています。
こうすることで、動きのある部分にも強度が生まれ、安心感を持って使うことができます。
関連ブログ
縫製の始めと終わり
04Attention to detail
細部にこだわること。
細部にまで行き届いた製作を行うことも大切な工程のひとつ。
これらの工程は、あえて着目しないと気づかないものかもしれません。
しかし、こうした細部の作り込みが最終的な製品の品質を左右します。ひとつひとつを製作スタッフが手作業で行なっているからこそできる細かな工程の数々が、Munekawaの強みのひとつだと考えています。
ここではMunekawaが行なっている細部へのこだわりについてご紹介します。
裁断面を磨く
革の裁断面のことを「コバ」と言います。
目止め剤をコバにしみ込ませ、磨くことで断面を固めていきます。
コバを綺麗に処理しないと、ヘリが残る事で引っ掛かりが出来てしまうため、使用につれてコバ部分を傷つけてしまいます。
コバを綺麗に磨くことで手に持った時の手当たりが良くなり、日々、違和感を感じる事なく、長く綺麗に使うことができます。
関連ブログ
自分でコバ磨き
焼き念を入れる
「焼き捻」とは熱したコテで革のフチにラインを入れる工程です。
この作業を行うことで全体の印象がシャープに引き締まります。
曲線の多いパーツは難易度も高くなりますが、丁寧に手作業で行なっています。
ConclusionSelect the Ideal Leather for You
まとめ
自社生産にこだわる理由
Munekawaの全ての商品は、6人の社内スタッフで製作しています。
以前は、社外に一部工程を依頼し、よりたくさんの製品を製作しようと試みたこともありました。
しかし、Munekawaがもの作りにおいて大切にしていることを共有することが難しく、現在は全て自社生産で製作を行なっています。
少量生産ではありますが、だからこそひとつひとつ手間を惜しまず製作することで、Munekawaらしい革製品が作れています。
これからも、スタッフで意見を出し合い、改善を加え、お使い頂く方が豊かな気持ちになれる革製品を作っていきます。